米大手航空4社の比較、それでも保有する?

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コロナ禍で不透明感が強い米航空4社

昨年2020年の5月、コロナを受けてバフェットは米国の4大航空会社の株式を全て売却した事を発表しました。

米国の航空株に投資していた人はこの発表によって、不安が確信に変わったのではないでしょうか。

米航空会社の株価は漏れなく急降下し一時50%以上株価が下落しました。

航空株という事で万年割安株で推移している航空株が、ここまで下げるのは誰も想定していなかったんじゃないでしょうか。1年たった今、思い返すと。

で今、業績は回復したかというとまだまだ元に戻る予兆は見えません。
それでも株価は各社反発し、元の水準とはいかずともかなり近い所まで戻してきた企業もあります。


その投資は本当に将来的に利益をもたらしてくれるのか気になったので僕なりに少しだけ、とても簡単に見てみる事にしました。

米航空4社の業績を比較


ここで一旦各社の2019年と2020年の業績を重要な部分だけ抜き出してみました。

【サウスウエスト (LUV)】

売上:(2019)224.3億ドル / (2020)90.5億ドル
営業利益:(2019)29.5億ドル / (2020)▼38.1億ドル
EPS:(2019)4.27ドル / (2020)▼5.44ドル
NonGAAP EPS:(2019)4.27ドル / (2020)▼6.22ドル
自己資本比率:(2019)38% / (2020)25%
長期借入額:(2019)18億ドル / (2020)101億ドル
株価(2021.02.24):56.72ドル(2019PER:13.3倍)
 
【デルタ航空 (DAL)】

売上:(2019)470億ドル / (2020)171億ドル
営業利益:(2019)66.2億ドル / (2020)▼124.7億ドル
EPS:(2019)7.30ドル / (2020)▼19.49ドル
NonGAAP EPS:(2019)7.32ドル / (2020)▼10.76ドル
自己資本比率:(2019)23% / (2020)1.8%(債務超過直前)
長期借入額:(2019)88.7億ドル / (2020)274.2億ドル
株価(2021.02.24):47.74ドル(2019PER:6.5倍)
 
【ユナイテッド (UAL)】

売上:(2019)432.6億ドル / (2020)153.5億ドル
営業利益:(2019)43億ドル / (2020)▼63.6億ドル
EPS:(2019)11.58ドル / (2020)▼25.30ドル
NonGAAP EPS:(2019)12.05ドル / (2020)▼27.57ドル
自己資本比率:(2019)22% / (2020)10%
長期借入額:(2019)131.4億ドル / (2020)248.3億ドル
株価(2021.02.24):49.70ドル(2019PER:4.1倍)
 
【アメリカン (AAL)】

売上:(2019)457.7億ドル / (2020)173.4億ドル
営業利益:(2019)30.6億ドル / (2020)▼104.2億ドル
EPS:(2019)3.79ドル / (2020)▼18.36ドル
NonGAAP EPS:(2019)4.90ドル / (2020)▼19.66ドル
自己資本比率:(2019)▼68.7億ドル(債務超過) / (2020)▼1.2億ドル(債務超過)
長期借入額:(2019)214.5億ドル / (2020)298億ドル
株価(2021.02.24):20.44ドル(2019PER:4.2倍)
 


図① コロナショックからの株価騰落率 (参照:yahoo!finance)


図② 2020年初め(ほぼ高値)から2021.2.24までの株価騰落率 (参照:yahoo!finance)



ご覧の通り、米航空4社の業績は壊滅的な被害を受けていますがコロナ収束後の世界を見越して株価は底値から各社約2倍近く回復(※図①)しており、【LUV】に至っては既にコロナ前の水準まで戻りました。(※図②)

航空株は景気に対して非常に敏感な事や他業種に比べて自己資本が脆弱な点がある等の理由が影響して万年割安な水準で推移していました。

そのため、PERの面だけ見ると割安な水準で元々は推移していました。
4社の売上や利益の10年成長率やEPSの安定感等は見てませんので、なんとも言えませんが恐らく買われ過ぎな状況ではなかったようです、2019年の時点では。


が、コロナが世界的に広がってしまった今、航空各社の業績は見るも無残な結果となり業績回復という視点ではまったく先の見えない暗い道を走らなければならなくなりました。

その暗い道の先に光が見えたとしても、その道中に蓄積された「垢」(借入返済負担、今後の経営方針に対する修正)が母体を蝕んでいく事になるかもしれません…。
(…ちょっと格好よく言ってみた)




米航空4社を個別に見る

個別に簡単に見てみると…、


まずは【LUV】
バランスシートの面では4社の中では一番安定しています。
とは言っても2019年度の自己資本比率から13ポイントも悪化しています。
他社に比べて圧倒的に低かった借入額も一気に100億ドルにまで増え、不安定さが増加しました。

資本面が4社の中でも安定している事もあり、2019年度のEPSと今の株価で出したPERも唯一2桁台です。

売上が他社に比べて低いので将来的な伸びしろがまだある、という風にも見られているのかもしれませんね。

ただし株価もコロナ前の水準に既に戻っている事から、今買うか?というと今じゃなくても良いような気はします。


【DAL】
最近twitter界隈で米航空株の中ではよく社名を聞く気がします。
コロナ前までの業績、特に営業利益を見ると4社の中でも一番利益率が高いようです。(2019年しか見てませんけど)

が、逆に2020年の営業損失額は他3社と比べても悪化幅がひどいです。
中身を見てませんので詳細はわかりませんが、比較的リスク高めな経営戦略を組んでいるのでしょうか?良い時はいいけど、悪い時は悪化しやすいような状態になっている可能性があります。

自己資本比率を見ても2020年の資金調達の影響が響いてほぼ債務超過状態です。
また借入額の増加額は4社の中でもずば抜けて一番多い水準です。

業績が上向いてきても利息支払で最終利益が圧迫される事と返済に追われる事になるので株主還元に対しては消極的になるかもです。
まぁこれは4社全てに言える事だと思いますけど。



【UAL】
全体的な資本面はLUVに次いで2番目に良いように見えます。
借入も増えましたが、他社と比較しても増加幅は平均的です。
2019年と今の株価を比較したPERも4倍程度なので、業績が戻る事を想定するのであれば悪くないかもしれません。

コロナ前に比べて、株価の戻りも4社の中では出遅れている事からも僕個人的には4社からどれか選べと言われたらUALが一番マシかな~という気がします。

あとは、過去10年の売上と利益の成長率を見て、という感じでしょうか。
…まぁ僕は航空株は今のところ買う予定ないのでわざわざ調べませんけど。



【AAL】
ここが1番危険かもしれません。
コロナ前の営業利益率は4社の中でも最も低く、2020年度の営業利益の落ち込み幅もDALと同じぐらい大きく減少しました。

なにより一番の懸念が既に債務超過、しかも約70億規模の。
借入金の総額も1番大きいし、資本面も既に崩壊寸前、もしくは崩壊しています。
コロナ前の段階で1番危なかったのに、借入額の増加幅が4社の中でも控えめなのはもしかしたら「もう借りれなかった」という理由もあるんじゃないかと勝手に思ってます。
真実はわかりませんが。

米国企業は株主還元最優先でマクドみたいな「良い債務超過」の会社も存在しますが、同社の場合は、既に自社でコントロールできなくなっているので普通に「悪い債務超過」なのでは、と思っています。




まとめ

世界でワクチン接種が始まり今のところコロナ収束に向けて進んでいるように思えますがまだまだ予断を許さない状況には変わりありません。


ワクチン接種が進んでいる国では確かに感染者数は収まってきていますがワクチン接種に時間がかかる新興国や感染者数に対して圧倒的にワクチンが不足しているブラジルのような国も含め、世界的な収束にはまだ時間がかかると思っています。


航空会社の場合、各国間の移動が収益になるのでコロナが収まっている国同士の便数や客数は徐々に早い段階(とは言っても年単位かな?)で元の数字に近い所まで戻っていくと思われますが、移動先が実際の感染状況が不透明な新興国の場合、どうなるのかな。

という考えがあったので、一時期は【BKNG】等の旅行会社や航空系の企業への投資は考えてましたが、結局できませんでした…。

もし僕自身が飛行機で海外に行こうと思った場合…

コロナが収まっている国だったら怖いけど行ってもいいかな~と思うけど、十分に検査もできない、ワクチンを打つような経済状況じゃない国、例えばアフリカや東南アジアの一部の国等には、とてもじゃないですが怖くて行けません。

もっと言うと中国にだって、なんか隠蔽しているんじゃ?という不信感が少なからずあるので「中国では完全にコロナ収束しました」というニュースがあっても100%信じて安心して旅行に行けるとは思いません。国際展示会だったり世界各国から人が来ると思うと怖くて行きたくありません。


それを踏まえて、
『国ごとに不安感が異なる状況で航空各社が本当にコロナ前の業績まで戻るのか?』
という疑問はぬぐい切れませんねぇ。



米国航空株は安パイ路線を行く僕の弱気PFの中に入る事はないだろなぁ…。




※できる限り正確なデータ、情報を利用するように心掛けていますが、誤った内容・数字を利用している事があるかもしれません。記事についてはあくまで参考程度にお願いします。

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