マリオット・インターナショナル【MAR】 銘柄分析

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世界最大のホテルチェーン マリオット・インターナショナル【MAR】

今回は今、リア充銘柄なんて言って話題になっている世界最大のホテルチェーンの

マリオット・インターナショナル【MAR】

について調べてみました。


ちなみに多分ですが僕はマリオット系列のホテルに泊まった事はありません。
リア充というより単純に裕福層が泊まれるレベルのホテルなんでしょう。笑

マリオット系列はないですが、新婚旅行でハワイに行った時はヒルトンに泊まりました。


「俺は高いホテルに泊まってるんだぞ」的な気分になりスタッフに相場より高めのチップを払い、最終日にちょっと「あぁ…もったいない事をしたなぁ」と感じた事がありました。


あ、すみません。
そんな事はどうでもいいのですが、マリオットもヒルトンもどちらも素晴らしいホテルを運営している企業だと思います、はい。失礼しました。



事業内容について

事業内容については始めに述べた通り、

自社管理のホテルも運営しつつ、フランチャイズビジネスで拡大を進めてきた企業です。

2016年には「スターウッド・ホテル&リゾート」を買収して世界最大のホテルチェーンとなった企業です。

同社が保有している主なブランドは下記のようになっています。

引用:2020.FORM 10-K  Marriott International,inc.


同社が所有している物件と賃貸借契約を結んでいる物件合わせて2020年末時点で2,149物件、約58万部屋。

さらにフランチャイズ契約物件で2020年末時点で5,493物件、約84万部屋あり、合計で140万を超える部屋数を確保しています。


同社管理の物件については「米国・カナダ(42%)」「アジア太平洋(35%)」「EMEA(19%)」地域においては比較的バランス良く運営していますが、フランチャイズ契約物件となると「米国・カナダ(80%)」地域に集中しています。

全体で見ると部屋数ベースでは約65%が「米国・カナダ」地域を占めます。


フランチャイズ契約を結んだ宿泊施設からロイヤリティとして受け取る部屋代の数%の手数料が同社の主な収入源となります。

また顧客の約半分の人が登録しているロイヤルティプログラム「マリオットボンボイ」は、
同社の世界的なブランド力を生かして特別感を与えるプログラムで同社のビジネスの囲い込み戦略として機能しているようです。


めちゃくちゃ簡単に書きましたが、ざっくりこんな感じでもう少し詳しく知りたい方は別の方もしっかりまとめている人がいるのでそちらを見てください。


業績について

早速業績について見ていきます。

売上の成長率


2020年度については
コロナの影響をモロに受けてしまうホテル業界なので前年比で約半分まで売上は減少してしまいました。

世界的なホテルを多数運営する同社にとってもコロナの影響を避ける事はできなかったようです。


ちなみに同業※僕が新婚旅行で宿泊したヒルトンハワイアンビレッジを運営している)

●Hilton Worldwide Holdings【HLT】は前年比で▲約54%
(※営業利益:2019年度16億ドルの黒字に対し、2020年度は約4億ドルの赤字)


ヒルトンと比べて突出して不利な局面時に耐性がある、という感じもありませんが比較した感じでは同業、同規模間では比較的減少幅に優位性があるようです。

ま、それでも半分近く下げていくので「どっちかと言えば」程度ですが…。

一番強烈に影響を受けた2020年4月時点ではRevPARが約90%のマイナス、ホテルの27%が一時閉鎖。
その後、年後半にかけて少しずつ回復してきましたが、前年の数字にはまったく及びませんでした。


同社の収益性

次は利益面についてです。


コロナの恐ろしさを物語っていますね…。

それでも売上が半分減少したにも関わらずなんとか営業利益が黒字をキープできるなんて普通の企業ではちょっと想像できません。


通常時でも営業利益8~12%前後、最終利益5~9%の水準なので元々利益率が悪い企業ではないようです。


それも踏まえて同社はどういうビジネスモデルなのでしょうか。

売上と利益の中身を合わせて見てみると、同社の強みがわかります。下記の2つを見てみてください。

上がフランチャイズ契約の売上と最後残った利益。下が同社管理の物件の表です。

引用:2020.FORM 10-K  Marriott International,inc.
引用:2020.FORM 10-K  Marriott International,inc.

ここから言える事は
フランチャイズ契約物件は手数料収入なので基本的には利益額が減少する事はあってもマイナスにはなりません。

対して同社管理物件の場合は相応の管理費がかかってきますので2020年度のように単体で見れば赤字になる場合があります。
本来であれば自社でホテルを所有している多くの企業にとってはそれが当たり前の収益構造です。

でも手数料収入がメインの企業はこういう時(非常事態)は強いです。
コロナ前である2019年度の同社管理物件の利益額を見ても、援護射撃程度の金額でしかありません。

同社にとって重要なのはフランチャイズによる手数料収入だという事がわかります。
自社管理ホテルについてはブランド力を維持するための旗艦店、フラッグショップというイメージでしょうか。

で、フランチャイズ、自社管理物件を合計して残った利益からいわゆる販管費がかかってくるので最悪この販促費(固定費に近い)以上の利益を残せれば良いわけですね。

同社の場合はその販促費が12~14億ぐらいなので

フランチャイズ契約のおかげで売上が50%減少までだったらなんとか回る。

ような状況を作り上げています。
コロナ禍の2020年度でもフランチャイズビジネスから得る利益は約15億程度ありました。

という事は今年ぐらいまでの業績だったら営業利益部分まではなんとか黒字に出来るという事だと思います。


ただし、フランチャイズ契約物件のセグメントの利益が販促費以下になると有無を言わさず赤字に転落するので50%がボーダーラインになりそうです、今年の状態がギリギリですね。


コロナで大打撃を受けている企業のひとつですが安定感という視点で見ると、ホテル業界ではかなり高いレベルの企業のように感じました。

 

キャッシュフローの推移


こっちも見てさらにびっくりです。

「あれ、2020年って最終赤字じゃなかった?」

キャッシュフローを見たら去年とほぼほぼ同じですやん、と思ってしまいました。

というかホテルを運営しているなら普通、物件や土地に投資しないといけないからFCFってこんなに残らないよね?

という見方もあると思います。


もう気づいてると思いますがこれも全て「フランチャイズ」で拡大してきたおかげです。

建物や土地は提携先が所有しているので同社が自前で準備する必要はありません。
その上、売れた時(お客さんがそのホテルを利用した時)はしっかり数%の手数料をもらう事ができるのです。

『ブランド力』がある企業はこんなに好条件でビジネスを展開する事ができます。

逆に提携先もこのブランド力をしっかり生かす事ができれば、顧客を引き付けやすくWin-Winな関係で進めていく事ができるというありがたい仕組みです。

(フランチャイズ展開が上手くいかない場合は、日本の「セ〇ンイレ〇ン」みたいになります。CMで聞いた事のある「…~いい気分♪」という歌詞は支配する側の気持ちを歌ったCMソングだったんですね。※つまらん余談)


株主還元の推移


最後に、配当と自社株買いをまとめた推移ですがほとんどの年で稼いだ金額以上の株主還元を行っているようです。

自社での投資は抑えめ、なおかつ安定した収入源(フランチャイズ収入)が確保できると想定していたので、社内にキャッシュを残さないような経営
を行っていたように思います。

コロナで影響を受けた2020年度は自社株買いをする余裕もなく、配当についても減配する事になり還元率は一気に減少しました。

これは仕方ないですよね。
FCFがプラスと言っても今期のプラスはタイミングの問題で一時的にキープできているだけで実質的には配当も自社株買いもできる余裕はありません。

配当を出すには当たり前にキャッシュが必要ですが同社はビジネスモデル的にこれまで安定した収入があったので

あえて! 自己資本としてため込んでおらず、流動資産も総資産の1割程度しかありません。そして流動資産の約2倍の流動負債があります。

さらには2016年のスターウッド買収の時に急増した借入返済もまだまだ進んでいません。

ボーイングもそうですが、株主還元をしっかりしていた事がコロナのような想定外の出来事によって裏目に出てしまいました。



まとめ

どうでしたでしょうか。
世界最大のホテルチェーンでもコロナによってこれだけ大きな影響を受けました。

中小のホテルがこのような環境で生き残る事がどれだけ難しいかも改めて考えるきっかけになりました。


ホテル決めは旅行の中でも非常に高い優先順位を占める部分なので、どうにか早くコロナが収まって世界中のホテルや観光業界が元に戻る事を祈るばかりです。


最後にもうちょっと同社について気になる部分を見ておくと…、
10-Kの「Risks Related to Liquidity」に書かれていますが、今回コロナの影響によって財務面が不安定になり格付けが下がった事で借入の際のコストが増加する可能性が高くなっています。
それによって今後は増加した利息支払によって最終利益が本来の水準よりも圧迫されるかもしれません。

ここについてはもちろん同社だけではなく、コロナ禍で厳しくなりやむなく多額な借り入れを行った企業は負債が増え、B/Sが悪化。さらにP/Lでも利息支払が増加する事で営業利益までは回復しても、その後に発生する費用部分で最終利益が悪化する企業が増えてくる可能性もあると思っています。

さらに同社のようにのれんや無形資産が多い、いわゆるブランドが強みだった企業は減損を余儀なくされる場面もあるかもしれません。
その際は一時的ではあるものの大赤字に転落する可能性も否めませんね。

それで企業が残るのであれば一時的な費用だと切り替えれるかもしれませんが、根本から価値が下がってしまうような情勢(withコロナだったり)や立場になってしまうと従来のやり方では存続する事さえも難しくなってくるかもしれません。


今回の出来事によって、同社のように株主還元を優先的に強化していた企業は今後の方針(自社株買いや配当等)を見直す事になる可能性もあるかもしれません。


もちろん、今回のコロナ禍が今年中にある程度収まって破産する事なく業績が元に近い水準に戻ればの話ですけど…


もしも今のような状況が来年以降も続くのであれば中小企業だけでなく、これだけ巨大な企業でも存続の危機に直面すると思います。



※できる限り正確なデータ、情報を利用するように心掛けていますが、誤った内容・数字を利用している事があるかもしれません。記事についてはあくまで参考程度にお願いします。

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