ロッキード・マーティン【LMT】銘柄分析

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世界トップの米国軍事企業 ロッキード・マーティン【LMT】

今回は米国の軍事会社…いえ、「航空宇宙開発企業(※自称)」である

ロッキード・マーティン【LMT】

について調べてみました。

同社の株価の推移を見てみると長期的には右肩上がりですが、直近ではコロナ前に400ドルを超える株価水準まで上がった後、調整局面が続いています。

コロナ直撃で株価は一時300ドルを切る所まで下げ、その後400ドル直前まで上昇しますがグロース株人気と大統領選挙の影響に押され失速しています。

現在、株価の調整に伴って同社のPERは約13倍前後まで下げました。(2021.1月末時点)

グロースほど高い成長率はありませんが比較的、安定的に成長しているのになんでだろう、と思い一度調べてみる事にしました。


事業内容について

まず、ロッキード・マーティンとはどんな会社なのでしょうか。


会社の設立年を調べてみると1995年と比較的最近な気がしますが、1912年設立のロッキード社と1961年設立のマーティン・マリエッタ社という会社が1995年に合併してできた会社が同社、ロッキード・マーティンです。


そう考えると実質、100年以上続く老舗企業だと思ってよさそうです。


そして、同社の主な顧客は米国政府機関です。
2020年のアニュアルレポートを見ると総売上の約75%が米国政府関連の売上です。

セグメントとしては大きく4つに分かれており、

・航空事業
・ミサイル(MFC)
・ロータリー、およびミッションシステム(RMS)
・宇宙事業

の4つに分けられます。

その中で、①製品 ②(維持費等の)サービス の2つに分かれて売上が構成されています。

【航空事業】

主に戦闘機や無人航空機などをはじめとした軍用機を開発、製造、サポートまで行っています。最近の主力は「F-35プログラム」のようで会社全体の総売上の約3割。航空事業の約7割をこのF-35が構成しています。

顧客はやはり米国空軍、海軍などの政府向けが7割。残りは海外の顧客という構成比になっています。
 
【MFC(ミサイル)事業】

主にミサイル防衛システムを提供しています。ニュース等でよく聞く所では「PAC-3」や「THAAD」等のミサイルプログラムを開発したりしています。
こちらもやっぱり米国政府が主な顧客で約75%を占め、残りは海外顧客といった構成です。
 
【RMS(ヘリコプター&トレーニングソリューション)事業】

軍用ヘリコプターやイージス戦闘システムであるAegisプログラムを提供している。シコルスキーヘリコプター、TLS(トレーニング)プログラムが直近では伸びているよう。
MFCとほぼ同じく構成比は米国75%、国外25%ぐらい。ヘリコプタープログラムは総売上高の約1割を占めている。
 
【宇宙事業】

衛星や、有名どころではNASAの宇宙船Orionの開発。宇宙産業というか宇宙空間を活用した軍事プログラムや開発を行っているみたい。
米国政府の構成比が約9割で一部海外顧客もいますが、ほとんどが米国内向けだと思ってよさそうです。
 

それぞれの事業としては、ざっくりとしたイメージですが上記のような感じなんじゃないかとアニュアルレポートからそれっぽく抜き出してみました。

同社は最近、話題の「宇宙事業」もありますが宇宙産業というかほぼ軍事関係につながる事業を行っている企業ですので、ある程度の知見はあると思いますがSpaceXやヴァージン・ギャラクティックのような夢のある宇宙事業じゃないんじゃないかと思います。(失礼


業績について

次に業績について見ていきます。まずは売上の推移から。

売上の成長率


まず過去10年間で見るとこのような感じになります。
2011~2016年まではほぼ横ばいといった感じでしたが、2017年度から業績が再成長し始めました。


再成長した理由としては「トランプ大統領による軍事費の拡大」


わかりやすいぐらい任期と比例しています。
それもそのはずで売上の約8割が米国政府向けであり、軍事関連企業としては世界1位の売上を誇る同社の業績に大きく影響されるのは必然でした。

思い返せば、トランプ元大統領と安部元首相との間でF35という戦闘機100機以上を購入したみたいなニュースがありましたけど、このF35って最初に書いたのですが同社の主要機でしたね。

大統領がセールスマンになってくれる企業なんて同社ぐらいです。笑

同社にとって、トランプ元大統領は最高の味方だったと思うのですが、バイデン氏が大統領になった今、大きな味方がいなくなるため株価も調整局面、という事ではないでしょうか。

ちなみに2020年度のセグメント別構成比はこんな感じです。

・航空事業:約263億ドル(約40%)
・MFC事業:約113億ドル(約17%)
・RMS事業:約160億ドル(約25%)
・宇宙事業:約119億ドル(約18%)

あくまで事業ごとに分けてるだけで実際どれも軍事関連がほとんどなので、セグメント別に見るのはそこまで重要ではないように思います。

ちなみに気になる「宇宙事業」ですが、残念ながら4セグメントの中でも1番成長率が低いです。


また、同社の売上と一番関連性が高いのが米国の軍事費について。
下記リンクによると世界の軍事費の約4割を米国が占めており、常に毎年増加というわけではありませんが長期的に見たトレンドでは増え続けるのではないかと思います。


Global military expenditure sees largest annual increase in a decade—says SIPRI—reaching $1917 billion in 2019

リンク先:Sipri.org


米国にとっての軍事費は、民間企業でいう設備投資みたいなものであって他国を威圧しつつ世界トップの国でいるためには欠かせない費用
だと思っています。

軍事費の充実は戦争を起こさないための抑止力にもなるし、万が一争いが起きた場合でもやはり増強しておくに越した事はありません。


同社の収益性

次に同社の利益面についてです。

基本的には営業利益率が10~15%付近で推移しているので収益性は特に低いわけではありません。

もちろんGAFAM等のハイテクに比べると低く見えるかもしれませんが、全然悪くありません。むしろ優秀な方だと思います。

ちなみに2016年8月16日にIS&GS事業(※「情報システムおよびグローバルソリューション」らしい)を売却しました。そのため、この年の10-Kではそれらを含めて非継続事業利益として約15億ドルが計上されていました。


で、2017年度の純利益がめちゃくちゃ低いのは、一瞬この売却のせいかと思いましたが年度がズレているし…と思い10-Kを見ると税制改正の影響で約18億ドル程度の一時的な費用が発生していたみたいです。

…この辺は難しすぎて僕にはよくわからなかったです。

ただ、その後の業績を見ても一時的な税負担のようなのであまり気にしなくて良いと思います、たぶんね。


この売却以降、営業利益率が多少ですが改善されたので売却されたIS&GS事業は同社の中では若干ですが低利益な分類の事業部門だったのかもしれないですね。

今現在の事業部門ごとの利益はこんな感じ。

単純に上記の数字を利益率になおすと…、
・航空事業:約10.8%
・MFC事業:約13.7%
・RMS事業:約10.1%
・宇宙事業:約9.6%
ぐらいになります。

どの事業も利益率は10%前後でそこまで大きく差がないので、比較的安定していると言えそうです。
が、何度も言いますが事業ごとに分けられてはいるもののどの事業もほぼ軍事向け、米国政府向けなので、4つの安定した柱があるかと言われるとそういうわけじゃなく4つの柱の下に大きな柱が1本あるイメージなので、それを失うと総崩れする危険性はあるかもしれません。


ただ、軍事向けは同社がトップシェアを誇っているのでよほど政府にけんか売ったりしない限りは急にドスンはないかと思います。まぁ大丈夫かな?



キャッシュフローの推移

こちらはキャッシュフローの状況。
いつもは営業CFとFCFだけだったり、営業CFから設備投資費を引いた場合のキャッシュフローだったりを見るのですが今回はわかりやすいので全体を。

もうすごく単純な感じなのですが、

・設備投資の規模は小さめ。営業CFに対して平均して20%ほどしかありません。
・残りを【配当金と自社株買い】に充てます。ただし自社株買いは2018年度から縮小傾向。
・その縮小された分は借入金の返済に回されます。

キャッシュの流れはこんな感じの流れです。とてもわかりやすいですね。

自社株買い縮小と同じ時期ぐらいから内部留保を貯め始めているように見えます。
稼いだ利益を還元するタイプの企業のようなので、元々純資産が非常に低い企業でした。
実は2017年は一時的に(固定資産が減った影響で)債務超過となりました。

それに対して固定負債は増えていたので、恐らくこのタイミングで
①負債縮小
②資金面での体力を貯めていこう
となったのかな?なんて思ってますが、真相はどうなんでしょ。

ここまでの世界的企業なので僕の思考なんて豆粒みたいなもので本当は別の考えがあるんでしょうけど、これ以上はわかりません。



EPSの推移

最後にEPSの推移です。

2017年度は説明したように税負担の影響で一時的に減益となりましたが、それを除けば右肩上がりのトレンドで成長を続けています。

過去3年間は比較的大きく成長していますが、今後は買収等がない限り、ここまでの高い成長率は望めないと思います。自社株買いも縮小してますし。

それでも、緩やかながらも成長は続けていくと思いますので安定的に資産を築いていきたい方にはいいかもしれません。

現時点で言うと配当利回りは約3%前後、業績は右肩上がり。PERは10倍前半。

こう見ればEPSの伸びが緩やかでも、配当と株価上昇でコツコツと資産が増えていくイメージが湧きますね、僕は。


まとめ

今さらですがロッキード・マーティンについて調べてみました。

実は1月に入って、良さそうなバリュー株を探していたところ、そこそこの配当とPERで見た場合の割安(もしくは適正)に当てはまってたので、少しだけですが保有を始めました。

調べてみて思ったのは基本的には安定した資産を築くにはちょうど良い企業だと思いますが、米国政府頼みの今の状況は危険さも多少感じます。
かと言って、米国最大の軍事企業なのでもしも国外を強化するとなれば米国政府からの信頼もなくすだろうし、横に広げるのはなかなか難しい分野なのかもしれません。


国の軍事費という観点で見ると、話題のパランティアなんかはある種、競合と言える?のかな。システム系だと資金の出元違ったりするのかな?どうなんだろう。


そういえば、誰かの資料で見た気がするのですが(急に話変わる)

同社にとって影の立役者であるトランプ大統領の在任中の発言はやたら好戦的だった一方で、政権が終了した今、振り返ると実際は近年稀に見る戦争をしなかった大統領だったというツイートだか記事を見た。

自身で「俺がノーベル平和賞だ」みたいな事言ってたのもあながち嘘(冗談)じゃないのかもしれない。

当時は、「これだけ世界中を不安感(特に日本国民からしたら北朝鮮への挑発等)に陥れてそんなわけあるか!なんて思ってたけど実績で見ると結果的にめちゃくちゃ友好的な大統領でしたね。
終わってみると株価も好調だったし、賛否両論はすごかったけどそれなりに上手く動かした大統領だったんじゃないかなと。さすがビジネスマン。ディールの達人でしたね。

最後の最後にクーデター首謀者みたいな扱いをされましたが、あれも群衆がただ暴れたかっただけな気もするし…。

政治的な発言は賛否があるので、どうとも言いませんが…


とまぁ、話それましたがロッキード・マーティンは

実際に戦争しなくても戦争しそうな雰囲気になれば同社の株価が上がる。

同社の株価のパフォーマンスはそういう心理の時に良い動きをしてくれるんじゃないでしょうか。




※できる限り正確なデータ、情報を利用するように心掛けていますが、誤った内容・数字を利用している事があるかもしれません。記事についてはあくまで参考程度にお願いします。

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