アトラス・エアー・ワールドワイド【AAWW】銘柄分析

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コロナで好調な国際貨物航空会社 アトラス・エアー【AAWW】

今月は株の買い増しタイミングが見つからず、他になんかないかな~と保有株以外を眺めてみました。

買う銘柄に迷った時はほぼ必ず探し回るんだけど、まぁ探し損で結局買いたくなるような銘柄は今のバリュエーションではなかなか見つからないのです。

そんな中、楽天証券のバロンズ・ダイジェストを見ていたら

注目の小型バリュー株5銘柄を紹介

的な記事がありました。

いつもだったら、記事になってる時点で罠だと思っているのでスルーするのですが今回は魔が差したのでちょっと見てみました。

そしたらこんな銘柄見つけました。

アトラス・エアー・ワールドワイド【AAWW】

「この時期に航空会社株なんて、ちょっと投機感が…」

なんて思いながら中身を読んでみると、同社は他の航空会社の旅客便数が減ることで逆に恩恵を受ける「貨物航空会社」のようです。

旅客機の便数が減る事で貨物積載量も減少する事になるのですがコロナ禍で人の動きは9割減少したとしても国間の貨物取扱量はそこまで悪化しません。むしろプラスかもしれません。

実際、株価はコロナで落ち込んだ後に倍増しました。
裏付けとなる業績についても今期は恐らく過去最高益を記録するのではないかというペースで推移しています。

同社はいわゆる「空の物流」を行う貨物航空会社という事になります。

事業内容について


同社は航空機や航空関連サービスのアウトソーシング(リース)サービスを提供している企業です。

世界90か国に渡り、幅広くグローバルに展開しています。
『アトラス航空』『ポーラエアカーゴ』『サザンエアー』『タイタン航空』を子会社にもつ持株会社です。

セグメントで分けると

【ACMI(機材・乗務員・整備・保険付リース)】
航空機や人員等を含めたリースサービス。機材を除いたCMIサービスも。


【チャーター】
貨物・旅客のチャーターサービス

【ドライリース】
航空機のみのリースサービス

と、大きく分けて上記3つのセグメントに分かれます。

コロナを受けて業績が悪化したACMI事業の機体をチャーター事業に再配置したりと、柔軟に対応し旅客便減少によって悪化した減収を補う事ができました。

昨年までのセグメント別の売上構成比を見ると、
ACMIとチャーターがほぼ同じぐらいで約45%。残りの1割をドライリース等、その他が占めていました。

しかし今期については、ACMIが約40%いかないぐらいに減少しチャーターが約55%ぐらいに急拡大しました。

しかも需要拡大によってチャーター部門を増やしたという背景もあり、需要がひっ迫しているのか利益面でもチャーターセグメントが大きく改善しました。

チャーターセグメントの売上成長率はQ3までの9か月累計で+約37%。
対して利益の増益率は4倍以上。(詳しくは後ほど)



業績について

売上の成長率

売上の推移はこんな感じで、いつもは過去10年間を見るのですが2014~2016年の間は停滞していたので過去6年間しか抜いてません。時間もなくて…

2017~2018年の2年間にかけては二桁成長を記録しました。

成長の要因は、
サザンエアーの買収とAmazon用の航空機(ボーイング767-300)20機運用開始。(2018年まで)や、AMCの需要増加によって大きく伸びました。

2019年は上記の要因が落ち着き元のバリュー株らしい低成長率に戻りました。

ちなみに今期についてはコロナで恩恵を受けているので売上については通期でギリ+10%成長するかしないかぐらいのレベルです。

華やかなグロース株のように倍とか数十%成長とはならないようです。

Atlas Air Worldwide Holdings, Inc. FORM 10-Q より引用

ちなみに今期はQ3累計で前年比約+14%で推移しています。

Atlas Air Worldwide Holdings, Inc. Quarterly Review 3Q 2020 より引用


Q3四半期決算で公表されたガイダンスを見ると上記のような感じです。
売上はだいたい+10%を予測していますが、それよりも利益改善の効果の方が大きくなるようですね。

同社の収益性

というわけで今期、急改善している利益面ですが過去の水準はどのあたりだったのかをまずは確認。

実は利益水準は結構高いです。

営業利益率は例外な年もありますが平均して10%前後あります。
バリュー株と言われる中でここの利益率がこれだけの水準であれば僕的には結構魅力的な企業に映ります。

気になるのは2019年の結構なエグさの大幅赤字転落。
この時の資料を見ると、

主に747-400型貨物機の約5.8億ドルの減損。

があった事がわかります。

減損費用という事なので営業利益へ影響を与える項目にはなりますが僕はどっちかというと減損に対しては寛大(笑)なので営業費用だけども、一時的な費用だと解釈するようにしています。(もちろん、中には例外もありますが)

ちなみに今期Q3までの営業利益は約13%程度となっており、ここ数年の間では一番良い状態です。

これも上記で説明した「チャーター」セグメントの貢献が大きい形となっています。

それともうひとつ。
営業利益と純利益の差が大きい
のが気になります。

これも10-Kを見ればすぐわかる事なのですが「支払利息」の割合が高い事が原因です。

支払利息だけで年間約1億ドル程度あり、業績の調子が良かった2018年の純利益が約2.8億ドルだった事からも支払利息が与える利益面への影響の大きさがうかがえます。

それもそのはずで、航空機という金額の大きい設備を抱えているため総資産の内、航空機関連で約7~8割を占めています。

そしてその巨額な航空設備を調達するために資金を借り入れる必要があり長期債務は約2億ドルほどあり、この分の利息が重くのしかかっています。

ちなみにこちらがその内訳。

Atlas Air Worldwide Holdings, Inc. FORM 10-K より引用

ご覧の通り利息が平均して年間約3~4%程度あるので、それによって受ける影響は利益額(規模)と照らし合わせても大きくなりますね。

営業外費用ではあるものの、売上を上げるために発生している利息なので、ここまで含めてやっと本来の姿だと思っているタイプの人間です。

でもそれなのに、僕が減損をそこまで悪く見ていないのにはキャッシュフローがしっかりしている、という状況があるからです。



キャッシュフローの推移

こちらが営業CFとフリーキャッシュフローの推移です。

営業CFは基本的には常にプラスで推移しています。
が、設備投資の規模が大きいのでFCFではマイナスになる年の方が多いのが現状です。

ちなみにですが『設備投資費用が大きい=減価償却費も大きい』ので、営業CFマージンは営業利益率よりも高く推移します。

年度によって異なりますが営業CFマージンが15%ぐらいでるので結構キャッシュは残る体質にはなっているのでは、と思います。

ただし、何度も言いますが設備投資にかける額も大きいので、悪化した時の資金繰りの面では注意も必要かと。

まとめ

コロナがなかなか終息しない事態を想定するとしたら、同社の主業である「国際貨物航空輸送」は伸びると思いますが、同時に競争も激化する事を意味します。

というのも、既に今の時点でもコロナで壊滅的な影響を受けている旅客をメインに行っていた航空会社が貨物輸送に(一時的に)シフトする動きが加速しています。

今現在、世界中に動いていない航空機が大量にあります。
そんな金のかかる資源をそのままにしておくのはもったいない。それを少しでも動かして多少でもいいから利益を得ようと考えるのは明白に思います。

確かに株価と利益を見比べると確かに割安なようにも見えますが、あくまで現時点の数字。

市場は今後も伸びていくと見られていますが競合はそれ以上に増えてくる可能性が高いです。

今後の競合は全航空会社という事にもなりますが現時点の競合はどこなのか?ちょっと調べてみました。

近い競合で言うと
エア・トランスポート・サービス・グループ【ATSG】
という競合が存在するようです。

何が近いのかというと、2社ともAmazonが出資しているという点。

売上が2桁成長していた時期はAmazonとの提携が大きく影響しています。
もしかしたら将来的には買収という可能性もあるかもしれませんし。

この企業も営業利益率が10%付近とAAWWと比較的近い水準で利益を出しています。

株価とEPSの関係だけを見ると、AAWWの方が一般的には割安という風に見れると思いますが営業外損益が左右する範囲が広いので予測が結構難しい気もします。

まぁ今ならAAWWの方が下げは限定的で来期以降の動きによっては今買っておいたら、もしかしたら上がるかもしれない…。わかりませんけど。

まぁ同社の過去の株価を見ると安値が約20ドル、高値が約70ドルのレンジ内で動いているような感じなので過去の動きからは長期投資には向かないようなチャートになっているみたい。

もしろん化ける可能性もあるし、逆に今が高値付近を推移しているだけの可能性もあるし…まぁここからは個人の判断ですよね。笑

※投資は自己責任です。あくまで参考程度にお願いします。

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