アドバンスト・マイクロ・ デバイセズ【AMD】銘柄分析

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インテル・NVDIAに強烈に迫る高成長半導体企業 AMD

今回は僕が保有しているインテル【INTC】の脅威となっている企業

AMD(アバンスト・マイクロ・デバイセズ)【AMD】

について調べてみる事にしました。


前回、NVDIAについて調べたので同じ半導体続きということで、今まで後回しにしてきた(保有株インテルの)競合企業について改めて少しは知っておこうと思い簡単にまとめておく事にしました。

インテルを追い詰める高成長半導体企業は今現在、どのような状況なのでしょうか。


事業内容について

AMDの事業内容はざっくり、

CPU、GPUなどの半導体を開発・製造(委託)・販売を行っている半導体企業です。

特に最近、ライバルのインテルを後目に高水準の成長を見せており米国株投資家からも注目を集めている企業でもあります。

正直なところ、今の状況を多くの人からみると製品スペック(技術)の面ではインテルは既にAMDに抜かれているという見方が一般論になってきているようです。


市場の皆さんは何をみてそう思うのか、という点ですが

「7nmプロセス」 ※プロセス・ルールが7nm


Intelはやっと10nmを出荷開始。
AMDが製造委託しているTSMCは5nmと7nmを開発中。(10nmは既に量産体制)
Samsungも7nm量産開始。で、3nmにも開発の手を進めている。

みたいな状況らしいのです。

「このプロセスの見方は僕は素人なのでまったく意味がわかりません」

が、僕が読んだ記事によると

・インテルの半導体は同じプロセスルールだった場合は他の競合よりも1段性能が良い。(実質、1スペック分上のレベル)という風に見られていたり…

・いやいや、それを加味してもTSMCやサムスンにもう抜かれてる。AMDの方が断然早いよな~。

みたいな感じらしいのです。

昔は断トツの王者だったであろうインテルが今では最後尾付近に位置しているように見えます。


対してAMDは今急速にシェア拡大を進めています。
業績拡大の勢いについては今の時点では完全にAMDの方が魅力的です。

またCPU以外にもGPUでも存在感を示しています。
AMDは先日紹介したNVDIAとGPU市場を2分しています。(ディスクリートGPU市場で)

現時点では
NVDIAが7割、AMDが3割
というようなシェア率です。

CPU、GPUともに数年前まではなかなか距離を詰める事ができなかったライバルに今、驚異的な勢いで迫っている企業がこのAMDです。





業績について

さて、次に業績について見ていきましょう。

売上の成長率

まずは売上についてです。

ちょっと特徴的な形で推移しているようです。

こうやってグラフにしてみるとわかりやすいのですが、年度ごとの売上の成長率を見ていくと2015年を境に潮目が変わりました。

実はこの時期付近ではリストラがあったりとAMDにとっても大きな転換期となりました。
SeaMicroであった高密度サーバーシステム事業から撤退。リストラ。さらにのれんの減損、資産の売却等、数年かけて構造の再編を図った期間です。

そして2014年には前CEOが辞任し、結果的にAMDの救世主となった現在のリサ・スー体制になりました。(AMDにとってはここが一番重要なところです。)

もう少しこの低迷期の業績を詳しく見てみると
売上減少の大きな原因は中国顧客の売上減少が大きかったようで、当時2014年までは約4割を占めていた中国向けが2015年には途端に半分になり構成比も3割以下まで落ち込みました。

しかし、その後は再編が功を奏した結果、4年連続の売上成長を続け、さらにはそれに伴い利益がしっかり残る体質に急速に変化していきました。

そして現在、ご存知の通りインテル、NVDIAを猛烈な勢いで追いかけている、というような構図です。


米国株投資初心者の僕としては、
ここ数年の間にすい星のごとく颯爽と現れたイメージのあるAMDでしたが、実は設立は1969年でなんと50年を超える老舗企業。勘違いしてました。笑

一時は瀕死状態になりかけながら新CEOのリサ・スー指揮のもと、ジム・ケラーの助太刀等もありつつ復活を果たした。

という素敵ストーリーのある企業のようです。

その手腕は、将棋の藤井聡太さんも憧れの人物と公表しているようにかなりのやり手なんですね。

AMDは
『CEOが変わっただけで会社ってここまで変わるものなのか』
と改めて感じる良い方の最たる例ではないでしょうか。

また売上の伸びを見ると米国、中国、ヨーロッパと主要エリアでしっかりバランスよく成長しているところを見ても一時的なものではないと言えます。

売上が偏っていないのは安心材料のひとつですね。



同社の収益性

次に利益についてですが利益面も売上の動きとほぼ一致しています。

再編期であった2014~2016年あたりは上記に書いたような、のれんの減損や在庫の評価損等の再編計画に伴い、一時的な費用がかなり膨らみ一気に大幅赤字に転落しました。

ですが、再編が進んだ2017年度からは粗利の改善、RadeonGPU、Ryzen等の新製品の好調、効率化によるコストカット等が進み一転して黒字に転換しました。

そしてその後も勢いが大きく鈍化する事もなく2桁成長を維持しています。

今の時点での(僕の)注目点はこの年々改善を続けている粗利率がどこで止まるか、という点がひとつのポイントではないかと思っています。


ちなみにIntel、NVDIAの粗利はどちらも大体60%前後。営業利益も30%程度あります。
対してAMDは改善してきたと言っても粗利率は40%前後。営業利益はやっと10%程度です。

普通の企業でみたら十分ですがライバル企業の利益率が20ポイント程度高いとなると、本物の優位性があるのか、という点では少しだけ疑問です。(保有株のインテルよりの意見ですみません。笑)

ちなみに2020年度もQ2まで終了して現時点の粗利率を確認しておきますと…
粗利率:約45%
一応まだ改善傾向は続いているようですね。

また、営業利益率は約9~10%。

さらにざっくりEPSだけ見ると前年比で約5倍の最終利益増。

(※ちなみに前年度はQ2までは利益率低かった(3%とか4%とか)みたいで…2019.Q3以降から利益率が9~10%台に改善されてきているみたいですね。)

ここだけ見てライバルと比較するとファブレス企業ゆえに利益率はそこまで高くなりきれない。

という風にも見れます。

最近はファブレス、ファウンドリという単語が一般的になってきて、その会社のビジネスモデルによるものなのでどっちが良いとか悪いとかないですが、技術面と利益面を天秤にかけると諸刃の剣的な面は多少なりともあるのかもしれないですね。

※これで仮にインテルの方がTSMCやサムスンよりも技術面でも優位(先頭、もしくは同スペック)だった場合を考えたら目も当てられません。

AMDのビジネスモデルの場合は、なんとなくで申し訳ない(適当)ですが
粗利率50%、営業利益率15~20%ぐらい
までがマックスな収益構造になるのではないでしょうか。


というのも、もし納品先のファブレス企業が粗利60%とかあって、僕がファウンドリー企業だったら

「あれ、ウチが作ってる製品でめちゃくちゃ利益取れてるじゃん。なんや、もう少し値上げしても大丈夫やろ!徐々に値上げして最終+5~10%ぐらい上げていったろ!生かさず殺さずや!」

みたいに思いそうなので、そういう圧力もある?のかな。笑




キャッシュフローの推移

さて次がキャッシュフローです。

こちらは大きく伸びたのは2019年度からですね。

業績は2017年から拡大しているのに、その時期はなぜか営業CFはギリ黒字、FCFに至ってはまだマイナス。

どういう風になっているのか一応、確認しておきましょう。

もう原因はほぼひとつですね。
「売上債権の増減」によるタイミングの問題なのであまり気にしなくていいです。普通に利益の方を見てもらえたらと思います。

営業CFによる企業の実態を大きく左右する減価償却費、株式報酬費用等もそこまで大幅に変わっていないのでキャッシュの流れが大きく変わったというわけでもなさそうです。

グラフには出してないですが
営業活動で稼いだキャッシュを投資に回して、新たに借り入れする事もなくバランスシートの形も良くなってきています。

AMDは自社工場をほぼ持たないので工場設備の増強ではなく、半導体の設計・開発などの部分に投資を集中させている形になるのではないでしょうか。
インテルなどの開発から自社製造、販売まで一貫して行っている巨大企業と比べるとどうしても資金面で不利になりがちですが、投資を開発部分に集中できる点はファブレス企業の大きな利点でもあります。

キャッシュフロー、バランスシートから見る財務面も一時期(低迷期)と比較しても特に大きな問題も無さそうですね。


EPSの成長率

最後にEPSについてです。

特にこちらも気になる所はないですが、強いて言うならば2018年と2019年の部分でしょうか。

純利益額はほぼ同額(+1%)ぐらいでしたがEPSは0.02ポイント減少しました。
これは発行株式数が増えているから相対的にEPSが下がってくるという事です。

再編時期に膨れた借入金の返済は (B/SとCSを見ると)
営業活動で稼いだキャッシュで返済しているというよりもこっちの新株発行(新株予約権行使、転換社債)によって集めた資金で返済という側面が強いように見えます。(この解釈で合ってる??)

よって今は配当金ももちろん出していないし自社株買いもなく、むしろ発行株式数を増やしている。業績成長による株価上昇で株主に還元しているイメージです。


次のステージは業績拡大が数年後に一服して??自社株買い等による株主還元に移行していくステージになると思いますが、逆を返すと業績が競合と比べてそこまでシェアが取れない内に(←※ここ大事)、自社株買いや配当金等で株主還元をしだしたらこの辺が業績拡大の(一旦)天井、と思った方がいいかもです。

同社に投資する魅力は、当分の間は業績の2桁成長によって維持されるんじゃないかと思ってます。

 



まとめ

半導体市況の競争を駆り立てる高成長企業AMD、どうだったでしょうか。


もしAMDの勢いが失速するとすれば、AMDの拡大の勢いにファウンドリー企業が一時的についていけなくなり、ブレーキかけざるを得なくなる可能性はあるかもしれません。

インテルに勢いで負けていると言われても数ではまだ圧倒的にインテルが多いです。
インテルも今後は一部外注を示唆していますが、もし本当にそうなった場合、いくら一部と言ってもAMDの10倍も売上がある企業ですから生産工場(TSMC等)はひっ迫します。

もちろん、ファウンドリーも設備投資を今はどんどん進めていくでしょうけど、これまでの半導体の需給サイクルを見ると後先考えず投資はしないはずです。

あるラインで調整しながら拡大させると思うので一旦どこかのタイミングでブレーキがかかるのは確実にある事だとは思っています。(AMDやインテル問わず半導体全般で)


ところで僕の好きな指標のPERで見て今現在の株価と予想EPSで計算すると、AMDのPERは150倍付近になると思います。

将来的に成長が鈍化してきた時にPER30倍程度が妥当なラインだと考えると、それまでにEPSベースで利益を4倍ぐらいにしたいところ。

上記にも書きましたが利益率の大幅な向上はあまり考えられず現時点の利益率で当面は進んでいくと思うと純粋に売上を4倍にしないといけない。

そうなると今の株価は何年後の業績を織り込んでいるのだろう?
と考えると、これから買い始めるのは考えずらいです…個人的には。

 

・NVDIA時価総額:約3,000億ドル(売上117億ドル:最終利益率30%)

・Intel時価総額:約2,076億ドル(売上719億ドル:最終利益率10%)

・AMD時価総額:約877億ドル(売上70億ドル:最終利益率30%)

 

こうやって見たら、いくら落ち目と言っても

今買うならインテルかなぁ~。(笑)

って感じです。

(完全にひいき目です)




…というかここまで嫌われるインテルって。。。

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