ウォルマート【WMT】の銘柄分析

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Tictok買収参戦でちょっと話題の世界最大手SM企業 ウォルマート【WMT】

最近、本業と引っ越しが忙しくてなかなかブログを書く時間がありませんでした。

という事と、調べてみたいと思う企業が思いつかずなかなか手が動かなかったので前回記事から結構時間がたってしまいました。

そんな中、マイクロソフトが買収案件を進めていると話題になっていたtictok。
『tictok買収にウォルマート参戦』という見出しを見つけて、

「なんで、ウォルマートやねん!! (※ノー関西人)」

と思い、そういえや米国を代表するウルトラスーパーマーケット企業であるウォルマートについて調べた事なかったな~と思い、今回ちょっと調べてみる事にしました。

ウォルマート【WMT】

時価総額も約4,000億ドルとトップクラスの企業価値を誇っています。

一時はアマゾンに押されて非常に厳しくなる可能性を言われていた時もありましたが、さすがは世界的企業。
すんなりとはいくはずありません。

さらにはコロナ禍の厳しい環境の中でも、底堅い強さを見せつけ株価も最高値を更新し続けています。

そんな世界的スーパーマーケット企業について見てみました。

事業内容について

はじめに同社のビジネスモデルについてですが、

有名企業なので多くの著名な方がブログ等で紹介していますのでそちらをご覧ください。笑

僕が今さらビジネスモデルをまとめた所で、その方達よりも詳しくまとめれるとも思えないので…。

ここでは、より数字に近い所をみていく事にします。

超簡単にどういう企業か一言でまとめると

『(米国外への)世界展開も成功している世界最大のスーパーマーケットチェーン企業』

という所でしょうか。そのまんまですが。笑


そんな世界最大のウォルマートの店舗数ですが2020年1月末時点で
・米国:5,355店舗
・国外:6,146店舗

もちろん最大店舗数は米国。そして次に多いのは「メキシコ」であり国外出店店舗の内、実に4割を占めています。




業績について

そういうわけで早速、業績を見ていきましょう。

売上の成長率


まず知っておきたいのが売上の中身。

世界展開も進めている同社ですが、2020年の数字から見ていくと

・米国売上:約65%
・国外売上:約25%
・Sam’s Club(会員制SM):約10%以下

の売上で現在は構成されています。

冒頭の方で書いた出店店舗数は国内・国外で大体半分ぐらいなのに、売上を見ると米国が7割以上(club含む)を占めているようです。

この違いの理由は「Owned」と「Leased」の出店形態の違いにあります。
米国だとOwned店舗が多いですが、国外だとLeased店舗の方が多いです。

Owned店舗はいわゆる直営店、Leased店舗は賃貸契約での出店という形になっており、売上額で大きな差が出るのはこの要因が関係しています。



ところで、調べるまで僕が知らなかったのは「Sam’s Club」という会員制のスーパーマーケット。売上額の規模で言うと約590億ドルほどあるみたいです。

類似のビジネスモデルで言うと会員制という事なので「コストコ」が近いのではないでしょうか。

ちなみにコストコは年間売上が約1,500億ドルほどあるので、Sam’s Clubはその3分の1ぐらいの規模という事になりますね。

会員制SMということなので、ここ(Sam’s Club)の収益構造は恐らく『会員費≒利益』?

と思いましたが、P/Lの「Membership and other income」とSam’s ClubのOperation Incomeの金額差が結構あるので、実際はコストコよりは高めの会員制SMなのか?と思います。

…否、~other income の表示もあるので、そうとも言い切れないのか。

僕自身、調べた事なかったので初めて聞きましたが1980年代からあったみたいで、特に新しいというわけでもないみたいです。

よって、ここの成長力といっても国内売上・国外売上とも大きく変わりません。
という事は「Sam’s Club」初めて聞いたからと言って特筆すべき点は特にありません。以上です。笑

売上の全体を見ていくと、特に大きく成長しているというわけでもなく
「毎年約2~3%ぐらい成長している成熟企業」(※ほぼ停滞)
という見方になると思います。

そうなると気になるのは「利益率」がどうなっているか? ですかね。

利益率がキープできている成熟企業であれば、とりあえずはセーフですが、悪化していたりする場合はよく中身を見る必要がありますね。

 



同社の収益性


さて利益ですが、…ご覧の通り微妙ではありますが悪化しています。

「微妙」と書きましたが、
小売り企業はそもそも利益率の高いビジネスではありませんから一時6%あった営業利益が4%まで減少している点は、決して安心できる水準ではありません。

そして上記のグラフから視覚的に見て気になる点は

①2019年の一時的な利益悪化の要因

②営業利益は10年で6%→4%に対し、最終利益は3.8%→2.9%と小幅に見える。

この2つでしょうか。

まず、2019年の利益悪化について。
営業利益は改善している事から、『営業外の影響=一時的な利益悪化』だという事が想定できます。

当時の財務諸表を見てみると、
「Other (gains) and losses」で約83億ドルの営業外損失がありました。

内訳は、
・ウォルマート ブラジル株の売却(Advent.へ)で約50憶ドルの損失。
・JD.com投資損失等の含み損が約35億ドル。

がありました。

どちらも費用としては一時的ではありますが、ブラジル事業からは撤退したという事で今後の戦略への影響を与える可能性は考慮しないといけないかもしれません。

次に、営業利益の悪化幅と最終利益の悪化幅の差について。
こちらは特に特別な理由はないようです。

・トランプ大統領による法人税の税制改正(減額)
・2020年に至っては約20億ドルの特別利益計上

の影響によるものです。

現状では営業利益、最終利益ともに悪化していた事からも、法人税の減額にある程度助けられている状況です。

同社だけに限った事ではないですが、もしも米大統領がバイデン氏になった時は法人税引き上げの可能性も含まれているため、株価への影響はそれなりにありそうですね。

キャッシュフローの推移




次にキャッシュフローの推移ですが、利益面とはちょっとだけ違う状況のようです。(良い意味で)

グラフにはありませんが、営業CFマージンは2011年の5.6%から4.8%までしか悪化していません。

理由については「減価償却費が増えているから」です。
10年前と比較すると、ここが約30億程度増えているため、営業利益の10年前と今との差額分を一定額、相殺しているような状況になっています。

FCFについても悪化していないのは、上記の減価償却費を差し引きした後の、毎年の設備投資費用が昔よりも(多少)減少しているためです。

これについては恐らく、

・良い考え(単純に設備投資に費用がかからなくなってきたという考え)
・悪い考え(現在のビジネスモデルが成熟しているにも関わらず、次の投資先が見つかってない)

があって、どっちが良いとも言えないと思いますが、毎年稼ぎだすキャッシュが利益額の割に悪化していない理由は、上記の理由です。

それともうひとつ。CSで気になったのでメモ書き程度に。

2018年8月にインドでEC事業を行う「Flipkart」を約160億ドルで買収しました。

この買収費用についてはCSを見ればわかるのですがほぼ丸々、長期借入金で資金調達をしています。

借入の増加によって、支払利息の増加(2020年~)となりました。
が、それでどのぐらい利益を圧迫するのかというと営業利益が約200~220億ぐらいなので、
営業利益対比率としては10%程度なので、まぁそこまで気にしなくても良いレベルですね。

EPSの成長率


次にEPSについてですが、こちらもちょっと癖がある形してますね…

特に過去5年間ぐらいは浮き沈みが激しいですが、今現在の状態から見ればだいたい4.5ドル付近だと思ってもらえれば良さそう。

2018~2019年は特損があったので、大きく減ってます。対して2020年は特損がなくなって一時的に逆に含み益の計上があったので5ドルを越えてますが、それを除くと4ドル台です。

さらに利益減少の割にEPSが減ってないのは「自社株買い」の恩恵のおかげです。

10年前と比べると発行株式数が約2割も減少しました。その分当たり前ですがEPSが増加します。

毎年だいたい(ざっくりですが)60~80億ドル規模の自社株買いがEPSを押し上げているだけです。決して利益を維持できているというわけではありませんので…。

同社のEPSを押し上げるための「自社株買い」と、株主へのわかりやすい還元方法である「配当金」を合わせた株主還元率は上記のようになります。

個人的には100%以内に収めていることからも

過剰すぎる事もなく健全なレベルでの株主還元に見えるので企業の存続(長期投資に一番大事)や財務面への影響を考えると好感がもてる感じです。



まとめ

今回はウォルマートについて、簡単にですがまとめてみました。いかがだったでしょうか。

さすがは米国を代表する企業、と感じる反面、成長が停滞して苦しい時期にいる現状も垣間見れました。

どうしても目を引いてしまう「利益率の悪化」ですが、何もしていないから利益が悪化しているわけではありません。

アマゾンの脅威に対抗するためにECを強化したり、物流関係を整備したりと

「新たなビジネス構造構築に向けての投資に費用を割いている」

という側面もあります。

実際に年間の投資額の50~60%はEC強化を始めとするオンラインへの投資を続けています。

もっとも、これだけ巨大な企業、世界的な事業展開にも成功している企業ですから、何もせず衰退を待つだけ、という事は絶対にないと思っています。

実際にコロナの影響が出ている2021.Q2までの業績は

売上高:2,723億ドル(昨対比+7.1%)
営業利益:112億ドル(昨対比+7.2%)
EPS:3.67(昨対比+41.7%)

と、イメージ的には昔からある企業なのでオールドエコノミー企業と思われる事もあるウォルマートですが、コロナ禍の厳しい情勢下でも業績の強さを見せつけています。

投資対象として、十分成りえる企業ではあるものの株価成長の勢いが業績面と比較すると少し行き過ぎに思える感じもしますので、悪くはないけどよ~く考えて判断しようかなぁ。

※投資は自己責任です。あくまで参考程度にお願いします。

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