PayPal【PYPL】の銘柄分析

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米国の大手電子決済サービス企業 PayPal【PYPL】

今回は米国の電子決済で一番知名度があるであろう

PayPal【PYPL】

について調べてみました。


現在、PayPalを利用するアクティブユーザーは全世界で3億人以上おり、各種Payの中でも多くのユーザーを抱えている米国企業です。

超ざっくり企業紹介

世界中で、なんとかペイが現れ競争は熾烈になってきていますが米国市場はPayPalが一番優位な立場にいるようです。

(とは言っても米国はクレカ決済が既に普及しているためキャッシュレスは進んでいます。そのせい?で、「電子決済」については中国等のように急速には広がっていないようです。)

まぁ、元々クレカを使っている文化があるなら、それでこと足りますもんね。。。笑


そんな状況の中でも売上や各KPIは毎年2桁規模の成長を続けており、今も普及し続けています。


引用先:PayPal Q1-20 Investor Updateより

アカウント数も四半期ごとにしっかり伸びており、大きな鈍化は見られません。

ですが2020.Q1期間中にアカウント数が2,000万人増えたのは、Honey社の買収によるものです。
オーガニックな伸びは1,000万人。買収による増加も1,020万人で合わせて約2,000万人増えたことになります。


買収分を除くと成長率は前年同期比で+13%ぐらいの成長率ですね。
もう2年ぐらいするとユーザー数の成長率は1桁ぐらいに落ち着くかもしれません。


従来のPayPalによるデジタル決済に加え、13年に約80億ドルで買収し傘下に入ったVenmoの個人間送金サービスの拡大も進められています。

ところで、この「個人間送金」(P2P)サービスってどのように収益化するのでしょうか?

自分の立場で考えると友人にお金を渡すのに手数料を取られるとなると直接現金で払うのを選ぶかもしれません。

というのもVenmoの決済ボリュームは通年で約1,000億ドル。売上は4.5億ドルほどのようです。そのうち利益ってどんなもんなんでしょう…。どこから収益を上げているのでしょうか?

ザっと調べてみたら、クレカによる送金(3%)、即日振込(1%)や他のサービス(購入サイトやデリバリーサービス等)の決済オプションにベンモを指定してもらって手数料収入を上げる等で収入を得ているようです。

基本的には他の決済サービスと同様、やはり手数料収入のようです。

個人間送金も有料だと多分なかなか広がらなかったでしょうから、効率的な収益化を今後どう進めるのか気になります。





業績について

事業内容は他の電子決済サービス企業と大きく変わりませんので早速業績に入ります。

売上の成長率


売上の成長率はこのようになっています。
過去6年間の伸び率ですが、規模の拡大に伴って多少は鈍化していますがまだまだ2桁成長を続けています。

ちなみにグラフにはありませんが一番最新の2020.Q1期間の売上成長率は前年同期比で+約12%の成長率でした。

トレンドとしては成長率は鈍化していく傾向になると思います。


地域別に売上構成比を見てみると

米国:53%  国外:47%

となっており、ほぼ半々ぐらいの構成比です。

地域に偏り過ぎるのも好ましくないので同じ規模で国内外ともに成長している点は悪くありません。


今期(2020年度)は2桁成長は維持できると思いますが、後2~3年もすると今のペースだと成長は1桁に鈍化すると思われます。


今後はいかにクレカ層をデジタル決済サービスに移行させることができるかが注目点ですね。

同社の収益性


次が収益面です。

こちらもご覧の通り、比較的悪くない水準を維持しています。

決済の仕組みが違うのでVISAやMaster等のクレカ決済ブランドのような異常に高い利益率は見込めませんが15%前後あれば悪くはありませんね。


ちなみに利益面は2019年までは良かったですが実は2020.Q1から少し気になる点がありました。

細かい数字まではここに書きませんが

これまで54%ぐらいだった「Transaction Margin」が2020.Q1では49.5%まで減少していたり、税引き前利益率が前期17%から5%に大幅に悪化していたり、利益面が今四半期は急速に悪化しました。

その理由としては、経済の悪化による信用損失の引当金(2.3億ドル)と買収による費用増があった事で原因のようです。

カンファレンスコールによると
『2020.Q1はNonGAAPで0.66ドル(※前年と同じ)だったが、これに信用損失引当金の(2.3億ドル)を除外すると0.83ドルになるからビジネス自体は変わらず順調だ』
というような感じでした。

まぁ根本的な部分は変わってないですね。
でも、コロナによる経済の悪化で引当金が増えたわけですからその通りなんですが経済が回復してこないとその状態が続くわけですから、同社にとってもやっぱりコロナは大きなネガティブ要因には違いないです。

それと買収による費用増は一時的なものなのか、継続的なものになるのかいまいち読み取れなかったですがNonGAAPで除外してるので恐らく一時的なものなんでしょう…たぶん。



キャッシュフローの推移


次はキャッシュフローについてです。
この辺はちゃちゃっと気になった部分だけ見ていきましょう。

2017と2018の間ですね。

結果から言うと、何もありませんでした。
ここまで差が出たのは繰延所得税のタイミングの問題と、貸付金の増減が2017と2018で相殺されたイメージになるので構造的にはほとんど変わりありません。

減価償却費や貸倒引当金の規模なども大きな変化はないので、なんだか安定してないように見えますが特に気にしなくて良いと思います。

基本的なラインは2019年あたりがそういう要因が比較的ないので2016年と2019年を繋いだラインで成長していると考えるのが妥当だと思います。



EPSの成長率


こちらも特に問題もなく右肩上がりの成長を続けています。

成長率も平均して20%前後なので順調です。

2020年度は上記で書いた要因(経済悪化を見込んだ引当金増加と買収費用)で恐らくEPSは大きく削られると思うのでNonGAAPを見た方が正確にわかると思います。

※NonGAAPはグラフにしてないので同社のreportを見てください。

多分、NonGAAPはコロナが後2か月ぐらいで落ち着けば前年マイナスにはならない?のではないでしょうか。感覚的にですが…。





株主還元率は?



同社の株主還元は「自社株買い」です。


最近の傾向では残ったキャッシュ(FCF)の平均して、約半分ぐらいが自社株買い費用になっています。

とは言っても発行株式数は数年かけても数%しか減少していないです。EPSに与える恩恵は今のところ薄いですが還元意識としては低くはない水準ではないでしょうか。

あ、キャッシュで思い出しましたが
B/Sを見てたら2019年度はこれまでなかった長期借入金が50億ドルほど発生していました。

買収用の資金として借り入れたみたいですね。
それによりちょっと肥大化しましたが資金面が悪化等で借入しているわけではないのでここも問題はないみたいです。


まとめ

米国の電子決済サービス企業 PayPalについて調べてみましたがいかがだったでしょうか。

何度かpaypayと間違えそうになりながらまとめましたが、なんとかpayが多すぎて訳わからなくなります。

恐らく中国のpay企業を除いたらPayPalが一番有力なのではないでしょうか。
米国、米国外でもグローバルに規模を拡大しているのは見事です。
(※アリペイユーザーほぼ中国人??)

あとはどうやって、クレカ層から移行させていくか、ですね。

ここまではまだ市場が拡大しきっていなかったので先行者で優位に進めてきましたが、これからはクレカ枠から奪っていかないと今までと同じ規模で成長を続けるのは難しそうです。

そこにVenmoとの相乗効果で新しい取り組みやサービスを展開していくとすれば非常に楽しみですね。

ちなみにですが現在同社のPERは80倍程度です。もうすぐ3桁台です。
株価がこのままなら2020年度はEPSは悪化するでしょうから多分100倍を超えると思います。

だいぶ先の業績まで織り込んでいるような気がしないでもありませんが、やっぱりもう少しガツンと下がったタイミングで保有したいです。笑

成長株にPERはほぼ関係ないというのもよく聞きますが、それも

市場規模の拡大度合いや売上の成長率、投資フェーズが終わった後に利益率の大幅な改善が見込まれる等の要因を踏まえてPERは関係ないと言われるんでしょうけど…


PayPalの状況だと成長株ではあるものの、売上の成長率は落ち着いてきているし、利益面は恐らく今の営業利益15%付近が本来の位置にあるように思います。

利益率がこのままだとすると単純に売上を上げないといけないわけで例えば将来のPERを30倍と見込んで計算しても売上が今の3倍にならないといけません。
自社株買いも並行して進められたとしても今後2~3年とかのスパンじゃ厳しいのではないでしょうか…。


利益率を保ったまま毎年20%ずつ売上が成長して5~6年たってやっとPER30倍の株価です、今が。


やっぱちょっと高いよなぁ・・・。
(※僕は年率20%も継続して成長し続けられないと思うので、10年近くかかるんじゃないかと思ってます。)





※投資は自己責任です。あくまで参考程度にお願いします

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