
【IBM】が2020.Q1決算を発表しました。
もう先週の話ですが4月20日にIBMの決算が発表されましたね。
僕の保有株でもあるIBMですが本業が忙しかったので決算をチェックできていませんでした。
それにGoogleやAppleなどの決算発表と違って、IBMの決算は個人投資家にはそんなに人気がないので後回しにしてしまってた、という事もあります。笑
結果から言うと、
決算後の株価は3%下落しました。
ですが、その翌日以降は他のハイテク株の株高に合わせて一緒に上昇したため現在の価格は下落前の株価まで戻っています。
発表された内容は
【2020.Q1決算】
売上高:175億ドル(△3.4%)
営業利益:△5,000万ドル(赤字転落 ※前年同期は18億ドルの黒字)
営業利益率:△0.3%(前年同期は10.4%)
純利益:11.7億円(△26%)
純利益率:6.7%(前年同期は8.8%)
EPS:1.31ドル(△0.47ドル)
NonGAAP EPS:1.84ドル(△0.41ドル)
結果的には減収減益となりました。
あれ…四半期決算で営業利益マイナスになったのっていつぶり?
少なくとも2016.Q1以降では、そんな事一度もなかったですね。
かなり不安ですが…内容について見てみる事にしましょう。
営業利益マイナスの原因
売上については前四半期に久々に前年比マイナスから脱却したと思った矢先、今回の決算ではまたマイナス成長となってしまいました。
(とはいえ、為替と一部事業の売却の影響を除くと前年とほぼ同じになる。)
まぁコロナの影響があったとはいえマイクロソフトなんかは増収になっている事から、たんにコロナの影響だけとは言えないものがあるように思います。
中身を見てみると、実は四半期のうち粗利率が一番落ち込むのがQ1期間ですが、今期は約1%の改善で45.1%でした。
これ自体はそんなに悪くなかったです。
過去3年間のQ1期間中の粗利は43~44%になる事が多かったので。
じゃ、なんだって話ですけど減益になった一番の原因は「営業費用」にありました。
これが一時的なのか継続的なのかによって、保有を続けるか手放すかにかかってきますね。
前年同期の営業費用は61.6億ドル。今期は79.2億ドルと
売上は3%の減収なのに経費は28%も増加した事になります。
説明によると構造的な費用増で営業費用が大きく増えたとの事です。
この構造的な~とは「グローバル・テクノロジー・サービス事業の競争力の向上するための措置」によるもので約9億ドルの費用増となったみたいです。
なんでしょうねぇ、これ。笑
レッドハットの買収による影響でしょうか?
年後半には収まり始めるとコメントもありますので一時的なものになる可能性が高いようですがどうなのでしょうか。
まぁ、仮に一時的なものだったとしても純利益マイナス26%は良くないですね。今後、この費用面がどうなるのは次の決算以降、引き続きチェックしていかないといけないと思います。
クラウドの成長は持続している?
次に、IBMの唯一の光?である「クラウド事業」についてですね。
が正直なところ
現状のIBMのクラウドサービスは成長はしているものの、GAFAMの企業(アマゾンやマイクロソフト)をはじめ、クラウド事業で先頭を走っている企業と比較すると大きく遅れをとっています。
そんなクラウドサービスの収益は23%増加(調整後 ※調子前だと18.8%の増加)しました。
総売上176億ドルのうち54億ドルがクラウドでの収益という事になります。
売上構成比の約30%です。
またそれを牽引している存在でもあるレッドハットが約10億ドルの収益を上げており前年比で20%の成長(※調整後)を達成しています。
それなのに、売上は前年とほぼトントンという事は、クラウド以外の他の事業はやはり落ち込みが激しいという事になるかと思います。
今はまだ売上を占めるクラウドの収益構成比が3割程度なのでこれがもっと拡大すれば、どこかのタイミングで長く続いた業績低下が反転してくるかもしれませんね。
まとめ
というわけでまとめですが、今回の決算、良かったか悪かったかと言えば
まぁ悪かった方になると思います。
しかしながら、3月から業績が悪化し始めたとコメントがあった事から、もしも3月も通常通り事業を行えたのなら、多分売上は前年プラスだったのではないかと思います。
それに(私はちゃんと見てませんでしたが)、構造的な変化による費用増については前回のカンファレンスコールで説明されていたみたいで、既に株価に織り込まれていた可能性もあります。
ただ、次の決算は他の企業と同じように本来の業績より大幅に悪化すると思われます。
結果、かなりの確率で第2四半期の業績は前年比で大幅なマイナスになるのではないかと思っています。
ただ、現時点で言える事は
・売上は鈍化していても財務面は強固な上、業種的にコロナによる影響も限定的
・キャッシュフローも今のところ前年とそこまで変わらず。
というのは、まだ安心して見れる部分だと思います。
大手ハイテク企業の中では遅れをとってますが、コロナでQ1時点で既に大幅に悪化している業界がある中では優秀な企業
です。
それにレッドハット買収による効果が、今回のコロナで相殺された部分もあるので、ここで手放さずもう少し様子見しておいてもいいかな~と感じています。
(配当利回りも減配されなければ、いまのところ5%以上はありますしね。)
※投資は自己責任です。あくまで参考程度にお願いします。