『超安定』がキーワード ホーム・デポ【HD】の銘柄分析

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米国を代表するホームセンター ホームデポ

アメリカ大陸を中心に展開している米国のホームセンター

Home Depot【HD】

について調べてみました。

総店舗数2,000店舗を超える米国を代表するホームセンターです。

事業範囲は、米国・カナダ・メキシコとアメリカ大陸で店舗を構えており、その内の約85%は米国が占めています。

企業としても約40年の歴史を誇る、投資家からも人気の高い企業のひとつです。

そして私が今検討している「一般消費財」セクターの中でも平均以上のリターンをこれまで叩き出してきた優秀な企業のひとつです。

というわけで、今が買い時になるかもしれないので調べてみる事にしました。

事業内容

上記にも書きましたが同社のビジネスは「ホームセンター」です。

基本的には店頭販売ですが、最近ではオンラインでの販売にも力を入れています。

ホームセンター大手の同社でも昨今のEC企業の急成長を懸念しており、差をつけられないようにオンラインを強化している所です。

ちなみに2019年、現在では売上の約9.3%がオンラインからの注文です。前年比では19.4%のプラスとなったようです。

また2015年度のレポートではオンライン注文の売上に対する構成比としては5.3%。成長率としては25%でした。ここ4~5年でやっと1割を占めるまでに成長した事になります。

これを良いと見るか、ちょっと進捗が遅いと見るかはそれぞれですが、同社の強みは店頭販売にあると思いますので、そこまでオンラインの売上にこだわる必要はないかもしれません。

特に同社の売上の35%割を占める「Building Materials(建築資材)」は木材等の直接確認して決めたい物や、大型で配送料が高額になる物(アマゾンが不利な部分)が同社は強いので、小売りの中ではアマゾン耐性が比較的、強い分類になると感じます。



そして売上構成のバランスが良いです。

ひとつに偏ってしまうと、万が一その分野で競争力が低下してくると会社としても総崩れになるので分類ごとにバランスが取れているのは、安定という点でも大事です。

後ほど説明しますが『安定』という言葉が似合う企業が「ホームデポ」です。

業績について

では、業績面について順番に見ていきます。

売上の成長率

最初は売上についてです。先ほども書いたように基本は米国国内での売り上げがほとんどを占めています。

ここ10年は平均して5%以上の成長を続けていました。2019年になって成長率は1.9%と、ここに来て鈍化してきた要因は何なのでしょうか。

10-Kによると、

①2018年度が53週であったのに対し、2019年度は54週だった。

②新規出店は米国3店舗、メキシコ1店舗。

③平均単価は上昇。売上件数は弱減少。

が売上の面で気になった所。

①2019年度の売上は1,100億ドルだったので、これを週平均になおすと20億ちょい。これを単純に売上に追加しても2%もないぐらいなので、それでもやっぱり5%以下の成長率に留まります。

②新規出店も2018年度はメキシコ2店舗、米国1店舗だったので特に新規出店数が減少したというわけでもないようです。

③原因は恐らくこれ。純粋に購入件数の増加が停滞してしまった事ですね。昨年は2.7%も伸びていましたが今年は△0.3%でした。

純粋に客数が減ってしまった事が売上鈍化の要因という事になると思います。

まぁ、それの根本的な要因はやっぱりAmazonをはじめとするECとの競争で押され気味という事なのかもしれませんけど。

それでも、まだ若干ながらも成長は続いていますし、オンラインも強化しているところなので今後の動きに注目です。



同社の収益性

次は収益面を見ていきます。

こんな感じですが、素晴らしいの一言に尽きます。

小売りで営業利益14%、最終利益10%台の企業なんてそうそうありません。

それもこの10年で利益率がアップしているというのは、正直びっくりです。

業態的にこのあたりが頭打ちのような気がしますが、競争が激しい現在において、ここまでの利益率をキープできているというのは何か秘密があるのかもしれません。

ここで『安定』がでてきます。

粗利率が過去10年間で全て34%という超安定ぶり

こんな企業を僕は初めてみました。大体何十%台、というだけでもすごいのに毎年きっちり34%です。

裏を返すとこの10年間という長い期間かつ、これだけ多くの商品を取り扱っているにも関わらず商品ごとのコスト増を考慮してグロスで見て、めちゃくちゃ上手に商品の売値に転嫁できている、という事です。

これが上手くできない企業だと、売上が減少したり利益率が削られたりしますが、同社の場合はそれがありません。

売上を上げつつ粗利は34%をキープ

しかも!その後は販管費等の費用を抑えたりと効率化を進めて毎年改善している。

すると毎年利益率が上がっていくという状態になります。

小売りでここまで利益率を改善し続けている企業は恐らく「ホームデポ」ぐらいじゃないかな、と思うほど衝撃でしたね。

キャッシュフローと配当性向

次はキャッシュフローと配当について見ていきます。

こちらも毎年、成長しています。

純利益と比較しても減価償却費がキャッシュ面でプラスになる事ぐらいで他はほとんど営業CFが動く要因がありません。

それに毎年の設備投資にかける費用も変動が少なく平均して営業CFの2割程度しかありません。

既にキャッシュが貯まりやすい規模まで成長していると思って良いと思います。

株主還元にめちゃくちゃ積極的

では、稼いだキャッシュは何に使っているのかと言うと、

「配当」と「自社株買い」

両方を活用して非常に高い水準で株主への還元を強化しています。



ほとんど毎年、事業で稼いだお金以上の規模を株主に還元しています。

それもあり、同社の自己資本はマイナスになってます。

1株あたりの自己資本であるBPSは2018年度からマイナスになりました。

 

 

いわゆる「債務超過」ですが、マックやスタバ等と同じような

『悪くない意味で債務超過』

です。

 

『別にウチはいつでも稼げるような体制が出来てるから、株主さんにいっぱい還元するよ。』

 

という事です。

 

ただし、大きな過ちを起こすと現在のボーイングのように首が回らなくなるので注意です。だから僕はあえて「良い債務超過」とは言いません。

 

『資産に対して負債が多い』というわけではなくそもそも資産を貯めようとしていません。

 

特に使い道ないし貯め込むぐらいなら株主にあげちゃおう、というわけです。

という事なので『今の状態の債務超過』は全然不安にならなくて大丈夫です。

 

では、どんな状態になったら不安になり始めないといけないのでしょうか。

 

・売上や店舗数が減少(縮小)し始めたら

・粗利率が32%以下になったら

・長期的にダメージを受けるような訴訟案件が起こったら

 

ボーイングみたいに、多くの命に係わるような大きな出来事はホームデポのビジネスモデルではなかなかないと思うので、こんな感じでしょうか。

 

要するに、キャッシュが稼げているから債務超過でも大丈夫なのであってキャッシュが稼げなくなり始めたら注意が必要です。

キャッシュフローが前年比でマイナスになる年が続いたりすると黄色信号ですね。

 

 



まとめ

今回は「ホームデポ」について調べてみましたがどうだったでしょうか。

 

僕は、非常に安定していて長期保有にはもってこいの企業だと感じました。

 

現時点で利回りも3%近くあるし、順調な業績成長と自社株買いによる株価への貢献も考えるとこの10年間で得た株主へのリターンは米国企業の中でも恐らくかなり上の方に入るはずです。

 

強いて気になる点を上げるとするならばやっぱり「株主還元が積極的過ぎる」という点と「売上が今期鈍化した」という事でしょうか。

 

が、積極的な株主還元は同社の場合は何度も言いますが利益面がめちゃくちゃ安定しているのでそれが続いている間はほとんど気にしなくて良いと思ってます。

 

売上については今期以降の数字を見ていかないとなんとも言えませんが元々そんなに急激に伸びる業態でもないので、例えば米国の中古物件売買関連の指標は伸びているのに同社の売上は減少が続いたりすると優位性がなくなってきている可能性が出てくるかもしれません。

(同社の3本柱の1つでもあるDIY関連の売上に結び付いてくると思うので…)

 

指標も悪くて業績も同じぐらい影響を受けているのであれば、景気による影響が大きいのでは?と推測できるので、その時は景気が転換すればまた上向く可能性が高いと感じます。

 

まぁ総じて

今の株価、もしくはもう1段の下落(2番底)が来るのなら間違いなく保有したい。

 

と僕は感じました。

 

ホームデポのこれまでのパフォーマンスは最高でした。

これが今後数十年の間に廃れるとは思えませんので、優等生である一般消費財セクターの中でも更に優秀な企業という分類に入るのではないかと思います。

 

 

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