【リーマンショックの再来?】今話題のCLO(ローン担保証券)について調べてみた

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CLO(ローン担保証券)がコロナショックで爆発するかも?

まず、CLOとは何なのか。


昨年11月15日にFRBから発表された「金融安定報告書」の内容によると

米国企業の2019年6月末の企業債務は約15.7兆ドル(日本円にして1,700兆円)となっています。

その主な内訳は、
社債残高は6.5兆ドル(660兆円)前年比+3.6%
銀行借入は1.4兆ドル。前年比6.5%
レバレッジドローンが1.1兆ドル。前年比+14.6%
となっているようです。

この企業債務残高は米国GDPの0.74倍まで膨れ上がっています。5年前は0.66倍程度。

中でも伸び率が二桁で推移している「レバレッジドローン」。

ここまでタイトルにある「CLO」という文字は出てませんがこの「レバレッジドローン」こそがCLOの正体です。

順を追ってCLOの正体に迫っていきます。(私も勉強しながらなので。笑)

まず、レバレッジドローン。これは信用力の低い企業向けの融資(主にBBB-等の非投資適格格付け企業への融資)の事です。


※あ!ちなみにこれはハイイールド債とは別物みたいです。(ハイイールド債の市場も同じく1兆ドル弱ぐらいありますが。)




上記のグラフではリーマンショック前はレバレッジドローンの年率は今よりも、もっと高かったので、今の年率はまぁ平均的と言えば平均的な年率ですが、
ここの問題は伸び率じゃなくて残高(規模)です。

上記に書いたようにローン残高は1兆ドルを超えています。
リーマンショック時と比べるとここ10年ぐらいで約2倍まで膨れ上がった事になります。

そしてこの膨れ上がったレバレッジドローンは市場の流動性を上げるためにパッケージ化してCLO(ローン担保証券)と呼ばれる金融商品にされます。

※補足【CLO】とは

レバレッジドローン(信用力の低い企業向けの融資)を担保に証券化したもの。ちなみにリーマンショック時にはほぼ無傷だったようです。


普通に考えたらそんな危険な金融商品は買わないでしょうがなにせCLOは利回りが異様に高いのです。もちろんリスクの裏返しですけどね。

でも低金利環境の現在では、この危険と隣り合わせの高利回りが人気を集めリスクの高いCLOが投資家にも広がっていきました。

景気が良い時は良いのですが、元々財務状況に問題がある可能性の高い企業のローンを集めて作られたCLOは景気後退時になると企業のデフォルト等が増えた時にCLO価値を毀損する可能性がある、と言われています。

それもそうです。

CLOに組み込まれたローンを借りている企業がデフォルトすればCLO自体の価値も減っていくわけです。

で、CLOの価値が下がるとどうなるのか。

リーマンショックの時とほとんど同じ流れをたどる事になる。

CLOはリーマンショックの引き金となったCDO(債務担保証券)とほとんど同じようなものです。

※補足【CDO】とは

サブプライム(低信用度の個人)ローンを担保に証券化したもの。


※CLOは企業向けローン、CDOは個人向けローンみたいなイメージです。


このレバレッジドローンの内30%が格付けが「B-」であり、死にかけの状態の物が3割もいるという状況はいつ破裂するかわからない時限爆弾のようなものだと思います。
他のも「B-」ではないだけで低信用ローンの集まりです。

リーマンショックの時は同じ時限爆弾である「CDO」が爆発した結果ですよね。

実は、あの爆弾はもう一個あって、しかももう一個の爆弾であるCLOはCDOよりも10年も長く爆発エネルギーを蓄えてきた事になります。

ほとんどのCLOは、CCC以下の格付けのローンが7.5%を超えないように契約で制限されている。このため、アナリストの多くが恐れるように景気が悪化し、レバレッジドローンの格下げが増えると、CLOマネジャーは困ったことになる。CCCになってしまったローンを急いで売るか、条項が発動されてCLO保有者への支払いを止めざるを得なくなる。

【Bloombergより引用】


さらにこのレバレッジドローンは米シェール関連企業の多くが資金調達方法として活用されているようで先日の原油価格の急落がレバレッジドローン資金を引き揚げる要因になっているようです。


という事は今回エネルギーセクターが特に弱かったのは

原油価格の暴落によって米シェール関連企業の業績が悪化すると想定、その場合レバレッジドローンを活用している企業は更に悪化し一気に債務不履行に陥る可能性がある

と思われたのも仕方ないのかもしれないですね。

右ストレートの次に右ハイキックみたいな感じです。そうなるともう立てません。笑



ハイイールド債と何が違うのか。

では、ハイイールド債と何が違うかというと「表面上の信用性の高さ」

実はレバレッジドローンの方が返済順位も高く、一般的にはリスクはハイイールドよりは低いとされているようです。

でも、レバレッジローンの中の種類である「コベナンツライトローン」と呼ばれるローンは『ローンの借り手に課すべき条件を通常ローンよりも緩和しているローン』のようで通常融資よりも資金回収リスクが高くなっているようです。

「レバレッジドローン」の中でも、水面下でリスクが高い傾向にある「コベナンツライトローン」が主流となっており、相対的に「借り手優位」な環境が出来上がっているようです。

コベナンツとは…

融資の契約を締結するさいに、契約書に記載することのできる一定の特約事項のこと。融資取引におけるコベナンツとは「情報開示義務」「財務制限条項」「担保制限条項」などがある。

ここも十分バブルっちゃバブルになってそうな市場ですね。
急激に一時的に業績が悪化するコロナショックとの相性が悪すぎて爆発寸前な気がします。


これはリーマンショックの再現になるか?

なんか、完全にサブプライムローン問題と同じ道を進んでいる感じですよね。

本来は危険なローンが形を変えて高信用度の物に置き換わるという状況が。

今懸念されているように経済が失速した場合、企業のデフォルトによってこの膨れ上がったレバレッジドローンやハイイールド債の爆風が投資家の資産に直撃する恐れがあると感じます。

だから何度も言うように怖いのはコロナの致死率や感染率よりも

コロナの感染拡大を止めるために人の流れを抑制しなければいけないけどレバレッジドローンやハイイールド債で資金を調達していた体力のない企業がデフォルトに陥り景気後退が加速、金融機関が大混乱。→金融危機に。

徐々に景気が後退していけば本来はそこまで被害は大きくならないのかもしれません。

しかしコロナの影響で急激に景気が冷え込むとその期間を耐え忍ぶ準備ができてない企業が我慢できずデフォルト、と。

という流れがシナリオとして想像できる最悪パターンかもしれません。

 

結局、CLOへの懸念は最終的にどうなるのか。



というわけで、
次に来るとしたら『CLOショック』の可能性があるようです。

CLOショックが来る、もしくはマーケットで来ると想定された場合

・米シェール企業(特に財務の弱い企業)でもう一段の大きな株価下落

・信用度の低い新興企業

・CLOを多く保有している金融会社の株価下落

等の状況が発生するかもしれません。


エネルギーセクターは、

「ここまで原油安になるとサウジ、ロシア等で何かしらの妥協案を見つけて対策を打つかも」や「6月OPECでの協議に向けて水面下で改善策が進む期待」

等を理由にそろそろ買い時かな?と思ってましたが、もう少し様子を見た方が良いかもしれないです。

シェールガス大手チェサピーク、債務再編で助言求める=関係筋

Reuters より引用

上記の記事のように、米石油・ガス生産大手チェサピーク・エナジーのように元々債務が大きいシェール企業が債務再編の報道をされているのを見ると、エネルギーセクターの買いはもうちょっと後かな、なんて思ったりします。

もちろん直近の下落に、既に織り込まれている可能性もありますが。

資金力のない米シェール企業はまだありますので、当面はエネルギーセクターは疑心暗鬼な状態が続くと思ってます。




逆に、そんな時に一緒に連れ下げはするでしょうけど、実はその後の成長速度を大きくできそうな企業は

・買収するためのキャッシュリッチな企業

・一般的に景気に左右されにくい企業


は逆に今~もう少し後が買い時になるかもしれません。

企業価値が現在はほとんどの企業も下がっているので、買収を仕掛けるには皮肉ですが悪くないタイミングになっているのも事実かもしれません。




「リーマン」類似、投資急増 農林中金など3社 CLO、計12兆円

東京新聞 より引用

ちなみに日本の金融企業はこのCLOを市場の約15%ほど保有しているようです。

言い方悪いですけど『低信用ローンのごみ箱が日本の金融企業』となっている印象です。

誰に騙されてるのか。それとも騙されているわけではなく、何か策があるのか…
利回りに魅力を感じ過ぎて、デメリット面を理解しようとするのを放棄してるの?という気がしないでもないですけど。

まぁ一応銀行は金融のプロなので、私には理解できない部分があるのでしょうけど素人目には危険に感じます。

『今回の景気後退、主役は米国でも被害が大きいのは日本になるかもしれません( ゚Д゚)』

オリンピックもどうなるんでしょうねぇ。。。。
CLO爆発の日本の金融への影響、オリンピック中止or延期等々…問題山積みの日本株の買い場はまだまだ先な気がします。)

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