決算後の株価20%の大幅高となったDropbox【DBX】の銘柄分析

スポンサーサイト

オンラインストレージサービス Dropbox【DBX】

Dropboxはどんな企業なのか。

本日はオンラインストレージサービスの有力企業

Drop box 【DBX】

について調べてみました。

Dropboxは全世界で6億人以上のユーザー数を誇り世界180か国でサービスを提供しています。

2019年末までの有料ユーザー数は1,430万人となり2008年のサービス公開後、驚異的なスピードで事業を拡大してきたオンラインストレージサービスの先駆け的な企業です。

しかし、現在では巨大テック企業を始め多くの企業が同ビジネスに参入してきており、市場規模は拡大傾向ではあるものの競争は激化している状況。

それもあって一昨年の上場後、2018年6月頃には最高値約40ドル程度まで到達した後、徐々に株価も調整され続け低い時では16~17ドル程度まで下落してしまいました。

元々、同サービスは容量2GBまで無料でサービスを提供していたのですが、競合相手である類似サービスは最大50GBまで無料というサービスも多々あり、使い勝手は別として無料で利用できる(できてしまう?)範囲が広がった事が株価下落の要因のひとつだと思います。

・MEGA 50Gまで無料

・Google Drive 15GBまで無料

・BOX 10GBまで無料

・iCloud Drive 5GBまで無料

・One Drive 5GBまで無料
等々、条件面ではDropboxよりも無料で利用できる範囲が広いサービスが増えました。

消費者にとっては非常にありがたいですが企業側や投資家としてはちょっと厳しいな~と思ってしまう環境になっています。

そして、ここでもGAFAMが幅を利かせています。
GAFAMが味方だと頼もしいですが敵となるとテック企業としてはめちゃくちゃ厄介な存在ですね。


使いやすさ的には私自身、昔からヘビーユーザー(7年ほど前から使用している)という事もあって他サービスよりも圧倒的に使いやすいと感じています。

「どこが?」と言われると「なんとなく」としか返せないのが悲しいですが…笑

一言で言うのであれば、共有ファイルの使いやすさや他サービスとの連携が簡単という所でしょうか。

また、最近ちょっとデスクトップアプリがアップデートされたようで、視覚的なデザインも変わりましたね。

様々な変更点・機能追加は多くあったようでアップデートというか、大幅バージョンアップという感じです。「アプリ」という感じになりました。
私はデータ保存としてしか使っていないのであまり変わらないですが。笑

内容的には、他企業とのサービス連携が強化されたりと更に進化しているみたいです。


さて、そんなDropboxですが先日の決算を受けて低迷していた株価は

「約20%の大幅高」

となりました。

ここに来て急反発となりましたが一体何が評価されたのでしょうか。

業績面や会社発表の内容等から探していきたいと思います。


業績について

売上と売上成長率について

まずは、やっぱり業績から!という事で売上や利益面から見ていきたいと思います。

公表されているデータが3期分しかないので、わかりにくい面もあるのですが年率約20%ほどの規模で売上は成長していっています。

ちなみに上記でも書きましたが有料ユーザー数は1,430万人となり前年同期と比較すると12%ほど増加しました。
(※ちなみに2018年度末の増加率は2017年比で+約15%ほど)

そして有料ユーザーの年間平均単価は123ドルとなり前期の117.6ドルと比べ4~5%ほど増加しました。単価は年々上がっており良い傾向だと思います。

半面、有料ユーザー数の増加は徐々に落ち着いてきており、引き続き競合の影響等もあって成長としては若干鈍化局面にあるようです。



前四半期比との比較を見るともう少し鮮明にわかります。サブスクサービスなので。

2019.Q3は一旦盛り返していますが、それ以外は2~4%程度の成長に収まっています。

それでも2019.Q1を除けば最低でも4%の成長率は維持しているので、2020年も4%維持は継続してほしいですよね。

利益面について

次に利益面についてです。
まだ投資段階なので現時点でどうこう判断する事は難しいですが。

ご覧の通り、まだまだ赤字の状態です。
上記のグラフに加えるのを忘れていましたが粗利率は70%を超えています。
ビジネスモデル的には「物体としての製品」がないので高い利益率を確保できます。
初期の投資段階と維持費・開発費で費用がかさむ場合もありますが。

会計上では赤字でも営業CFで見ると既に数年前から黒字化しています。

どういう事かというと、
「減価償却費」と「株式報酬費用」が大方を占めています。

減価償却費はキャッシュ流出局面は既に終わってますし、株式報酬費用は会社からキャッシュが流出するわけではないので、当たり前に営業CFに対してはプラス要因になりますね。

そして同社のNonGAAP営業利益に対しては株式報酬費用だけで2.6億円(+15%増)の調整効果がありますので、NonGAAPにすると一気にプラ転します。

減価償却費はNonGAAPでは調整されませんが、営業CFには影響してくるのでその他諸々を合わせると営業CFマージンは30%まで上がります。

ここで改めて書いてみましたがNonGAAPで黒字化となる新興企業の場合、犯人はほとんどの場合が「株式報酬費用」であって、成熟企業の場合は「減損」である場合が多いです。

ここについては投資家によって、NonGAAPが大事だという人もいれば、いやGAAPこそ全て!という人もいるので一概に、正しい正しくないは判断できませんので個人の判断になります。

ちなみに私は(これまで何度か言ってますが)

NonGAAPで「株式報酬費用」が調整されるのはおかしいんじゃない?派

でございます。

これはバフェットも言ってますけど、(「正式な費用じゃないなら何なんだ!」と)
私もそう思います。

理由としては私は「投資家」だからです。

私が企業の長(CEO)であればストックオプションによるキャッシュは会社からは出ないけどインセンティブとして従業員には有効だから使いやすい!お互いWin-Win!
(ストックオプション行使で従業員には将来的にキャッシュが手に入る)

ですが世の中にはWin-Winな状況なんてほとんどないです。資本で動く株式市場だとなおさらです。絶対にどこかで誰かがバチを被る事になります。

会社からキャッシュが出ないのであればどこから出るのか。というと、それは株式市場、要は投資家から出ると思っているからです。

『ストックオプションは投資家が従業員に支払うインセンティブ』

という側面が大きいように感じます。

投資によってお金を増やそうとしている投資家としては本末転倒な話なわけで、投資家にとって与える影響としては「悪」だと思っています。
あくまで個人の見方なので、その辺はご了承を!

はい。話それましたけど四半期ごとに粗利率と営業利益率を見るとこうなります。



もう少しで営業利益も黒字になる、という状況です。
そして粗利率は競争が激化している状況の中でも悪化どころか改善傾向にあります。

先ほど説明した株式報酬費用等が大きく影響していますので、その辺をちょいといじればGAAP基準での黒字化も全然可能だと思います。

2020年度のガイダンスを公表

今回の決算発表のタイミングで2020年度のガイダンスも同時に公表しています。

【2020.Q1ガイダンス】

売上高:4.52億~4.54億ドル(前年同期比+約17%)(前四半期比+約1.5%)
NonGAAP 営業利益:13.5~14.0%(2019.Q1は15.6%)
【2020.通期ガイダンス】

売上高:18.90億~19.05億ドル(前年比+約13~14.5%)
NonGAAP 営業利益:17.5~18.0%(前期は12.3%)
Free Cash flow:4.75億~4.85億ドル(前期は3.92億ドル)

と発表しました。イメージ的には

次の四半期である2020.Q1は利益面はあまり期待できないが通期を通しては大幅に利益が改善する


という感じになるでしょうか。
気になるのは売上の伸びが1%台まで落ち込んでしまう点ですね。

Q1期間中はこれまでを見ても鈍化する時期ではありますが、2%は維持してほしかったな~というのが正直な気持ちです。

また「HelloSign」の従業員への報酬契約が(3年間で)約4,900万ドルあるようで、これが2020.Q1から費用として支払われる予定のようです。2020年度は年間で2,800万ドルを予定しているみたい。

その分、利益面を一時的に圧迫する要因となりそうです。まぁそれで売上額が稼げれば相対的には影響も軽微になるでしょうけど。インセンティブ的な役割ですかね。

まとめ

という事でDropboxの業績推移を株式報酬費用なんかの影響から見てみました。

株式報酬費用の増額に伴い株式数も増加していましたが、今回の決算発表では

約6億ドル規模の自社株買い

も発表しました。

これ以上の株価下落を避けたい思惑も垣間見れますが同社の規模で6億ドルの自社株買いは魅力ですね。自社株買いを好感して純粋に株価が反応していると思います。

来期のガイダンスを見ても
NonGAAP営業利益が12.3%から約17~18%となる予測を公表している
事も市場が反応した要因になると思います。


ちなみにですが、2019年度のNonGAAP EPSが0.5ドルだったのでNonGAAPからPERを出してみるとおよそ45倍程度になります。

さらに2020年度もガイダンス通りに進捗すれば単純計算だと営業利益の改善効果が+5ポイントの効果、付随してフリーキャッシュフローは+20%台の成長を見込んでいる。

6億ドルの自社株買いによる1株当たりの利益の圧縮効果を考慮し甘く見込んでEPS成長率を30%とするとEPSは0.65ドル付近になります。

そうなるとPERは30倍半ばぐらいになるかもしれません。

あくまでこれは『NonGAAP』の場合ですので、GAAP基準で見たらPERは恐らく3桁台にはなると思うのでそうなれば割高です。

それもこれもガイダンス通りに進めばという前提あってこそなので、景気後退しかり、特に競合の外部要因等も発生しやすい業界だと思うので、厳しい環境での競争になる事は今までと変わりないと思うので注意深く業績の推移を見ていく事が大事ではないかなと思います。


※投資は自己責任です。あくまで参考程度にお願いします

最新情報をチェックしよう!
スポンサーサイト