
アルファベット(グーグル)が2019.Q4決算を発表しました。
今朝はアルファベット(グーグル)のFY2019のQ4決算が発表されました。
決算発表後の時間外株価は△4%になっており、今のところ今回の決算は市場の期待通りではなかったようです。
アナリスト予想との対比では
予想に対して利益は大幅に上回ったが、売上が少し下回った
という結果でした。
引用:ロイター
また今回の決算では別視点のサプライズとして
これまで公表されていなかった同社の稼ぎ頭である「Google properties revenues」の内訳や「GoogleCloud」の売上が公表されました。
確か以前WSJの記事で総売上に占めるYoutube広告の割合は15~20%と予想されているとの情報があったのですが実際は9%ほどしかなかったようです。
思っていたよりもYoutube広告が伸びていなかったのか、Google searchが予想よりも高い成長率だったのかのどちらかですね。
マーケットの反応を見るにYoutube広告の伸びが思いのほか高くなかったという事になるんでしょうかねぇ。。。
Google searchの売上成長率は鈍化してるようですしね。
まぁとりあえず一旦業績を見てみる事にしましょう。
2019.Q4決算の結果
まずは累計の業績から見ていきます。
2019年 Q4決算【累計】
売上高:1,918億ドル(+18.3%)
営業利益:342億ドル(+30.0%)
営業利益率:21.1%(前期は19.2%)
純利益:343億ドル(+11.7%)
純利益率:21.2%(前期は22.5%)
EPS:49.16ドル(前期は43.7ドル)※成長率12%
という結果でした。
売上の成長率以上に利益の方が大きく成長しているので通期を通しての業績としては
申し分ない結果になったと思っています。
今回から公表されたそれぞれの事業ごとの業績の成長はこのようになりました。売上額です。
●Google Search&other:981億ドル
成長率+15%(前期は+22%)
●Youtube ads:151億ドル
成長率+36%(前期は+37%)
●Google Network Members’prperties:215億ドル
成長率+8%(前期は+14%)
●Cloud:89億ドル
成長率+53%(前期は+44%)
●Other:170億ドル
成長率+21%(前期は+29%)
●Other bets:6.6億ドル
成長率+11%(前期は+25%)
今回発表されて早速、不安視されているのがGoogle Searchが鈍化し始めているという点ですね。反対にYoutubeとCloudは高成長を維持しており順調だと見られています。
やはり売上額の約半分を占めるGoogle Search広告事業が成長鈍化すると厳しく見えますが、ほか(YoutubeやCloud)でカバーできているのでそんなに悪くはないように個人的には思っています。
売上全体で見た場合、
過去3年間の売上成長率が20%を超えていたのに対して今期は18%の成長率に留まった点は少し心配ではありますがSearch事業以外も成長しており、なおかつまだまだ投資段階の新事業も多くあるのでそんなに懸念するほどではないです。
2019年 Q4決算【単体】
次は2019.Q4単体で見てみます。
売上高:460億ドル(+17.3%)
営業利益:92億ドル(+12.9%)
営業利益率:20.1%(前期は20.9%)
純利益:106億ドル(+19.2%)
純利益率:23.2%(前期は22.8%)
EPS:15.35ドル(前期は12.77ドル)※成長率20%
でした。
昨年と比較してみるとQ4期間中に前期は税金が11億ドル程度計上されており今期は3,000万ドルほどだった事が純利益の部分で昨年と差がついた要因です。
この税金の税率は通期で見たら、そこまで変わっていないので1~3四半期中に今期は多く計上されてたんでしょうね。
売上の成長に(営業)利益が追い付いてないのが少しだけ気になる程度ですね。(理由は下のほうで説明しています。)
今四半期のセグメントごとの成長率もだいたい通期の成長率を同じぐらいでしたので特段、今四半期に大きな変化があったというのはなさそうです。正常運転といったイメージです。
【参考】年度ごとの主要業績推移グラフを更新

営業利益は毎年徐々に下がってきてしまっていますね。
今期は一旦盛り返した形に見えますが、
営業利益が下がっている大きな要因に投資段階事業の赤字
がありますので、その点は最後の方でで説明しています。

営業キャッシュフロー・フリーキャッシュフローは非常に順調に推移しています。
引き続き設備投資も進めていますが
徐々に株主還元(自社株買い)の規模が大きくなってきているので今回のトップの交代でもしかすると株主還元をもっと強化する可能性もあります。
現に、外部から要望は強くでているようですので、どのような答えを同社が出すのか少し楽しみですね。
まとめ
時間がなかったため簡単にまとめただけですがどうでしょうか。
個人的には通常時であれば4%も下げる決算内容には思えませんでした。
時間外で下落しているのは恐らく直近でそれなりに株価の調子が良かったので一旦調整というイメージではないでしょうか。
昨日もコロナショック明けと決算期待という事もあり株価を3%以上、上げているのでその反動もあるのかもしれません。
どちらにしてもこの規模でもまだ成長が続いている同社ですしEPSもなんだかんだで12%の成長率なので悲観で売られるというわけではないと思います。
下げたとしても、あくまで調整レベルだと思います。
仮に利益成長が多少鈍化したとしてもフリーキャッシュフローが潤沢なので更なる自社株買い等で長期的にEPSを上げる余地はまだ多く残っています。勿論一番良いのは鈍化しない事ですけどね。
あ、そういえば昨年末に見たバロンズの記事でアルファベットのEPSは投資段階の事業によって実際よりも押し下げられているという記事を見ました。
その時は確か約4ドルのEPSの下押し圧力と書かれていたと思います。
今期もQ4まで出揃った所で投資段階事業のマイナス分を再計算してみると今期はその分の損失が約50億ドルほどあり、昨年よりもマイナス額は大幅に増加した結果となりました。
そんなウェイモ等の投資段階の事業の損失を考慮すると実際はEPSを約7~8ドル程度引き下げていると思われ、そう考えると稼ぎ頭である広告事業だけで見た場合のPERは25倍近くまで下がってきます。
とは言っても、投資段階の事業があること自体を含め、アルファベットという会社ですので要は見方次第という面もあると思います。
逆に投資段階の事業が黒字を出せるように成長できればEPSもその分が当たり前に業績に貢献しますから、広告事業は平均して今ぐらいの成長率を維持しつつ、その間に新しいセグメントで結果を出せば次の成長エンジンとなって同社の業績を押し上げてくれるはずです。
今回の決算の結果を受けて追加で買い増しするかどうかは迷いますが、手元の同社株を手放す要素は特に見当たりませんでした。
ですが、
私は単純にGAFAMの中ではGoogleが一番好きなので今晩、実際に株価が下落すれば買い増しするかもしれません。笑
今のところ広告事業が大きな柱であるグーグルの場合「投資段階の事業の進捗と黒字化」は同社に長期投資を行う上でめちゃくちゃ大事かなと思ってます。
※投資は自己責任です。あくまで参考程度にお願いします。