ネットフリックス【NFLX】の資金繰りが心配だから調べてみた

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世界最大の映像コンテンツ制作・配信企業 ネットフリックス【NFLX】

今回は世界最大規模の映像コンテンツ制作・ストリーミング配信企業である

ネットフリックス【NFLX】

について調べてみました。

時価総額は既に1,400億ドルを突破し世界時価総額ランキングではTOP20位以内に入るほど急激に成長してきた企業であり、いまだ成長は衰えていません。

創業は1997年と比較的短期間で時価総額を伸ばしてきた同社ですが、創業当初は

オンラインでのDVDレンタルサービス

を世界で初めて開始した企業であり現在のようなビジネスモデルとなったのは2007年頃からのようです。

その時と現在の時価総額を比較すると10年間でおよそ100倍の株価に成長しました。
この時に10万円でも投資していた人は10年後に1,000万円以上の資産を得た計算になります。
恐るべしネットフリックス!
誰がこうなる事を予想できたのでしょうね。投資家としてはとても夢がある企業ですよね。


同社のビジネスモデル

まず同社のビジネスモデルですが別に改まって説明する内容は特にないです。
AmazonやApple同様、日本人でも知っているほどの有名な米国企業です。

上記にも書いていますが同社のビジネスは

映像コンテンツのストリーミング配信と制作

を行っています。

競合としては私の保有株であるAT&Tやディズニー、Amazon等があり、大手企業の激戦市場でもあります。

ネットフリックスは有料会員が全世界で約1億6,000万人ほどおり動画ストリーミング配信企業としては最大規模です。
(※Amazonプライム会員でも1億ちょっとぐらい。会員費も高いけど動画だけのサービスじゃないので単純比較はできませんが。)

ちなみに私はネットフリックスの会員ではなく、アマゾンプライムの会員であります!
アマゾンでよく買い物をするし動画コンテンツはそんなに重要視してないので。

ネットフリックスは他のコンテンツ配信企業と比較するとオリジナルコンテンツに強みがあるみたいですね。

会員数の話に戻りますが、同社の会員の割合はこのようになっています。

2016年度までは米国内の会員数の方が多かったのですが

2016~2018年度の間に国内会員増加率+22%に対して国外の会員増加率は約2倍となり、ここ数年で一気に逆転。そして現在も国外の会員数は急激に成長を続けています。

米国内の会員数は鈍化しましたがそれでも6,000万人もいるので米国人口から考えれば十分です。

それでは次からは同社の業績を見ていきます。

業績について

売上と売上成長率


売上額については前期までで160億ドルを売り上げており、成長力にしても30%以上をキープ。いまだ勢いは衰えていません。

むしろまだ成長率が増えている点は驚異的です。
値上げ等の要因もありますが売上の伸びについてはこれまでずっと絶好調と見て良いと思います。さすが期待の成長企業ですね。

2016年と2018年の国内・国外の売上の変化を比較するとこのようになります。
国外売上が2倍以上の規模となり同社の売上増加を牽引している様子がわかります。

米国内の売上については有料会員数が+22%の増加に対して売上の増加率が+50%となっています。
これは会員費の値上げ等の影響により2016年度に9.21ドルだった平均単価が2018年度では11.4ドルとなりました。

この傾向から見ると、国外についても会員数が積みあがってきたらどこかのタイミングで値上げが検討される事になりそうです。

国外での値上げの可能性は利益面の内容を見ても明らかなので次に説明していきます。

ネットフリックスの収益構造


まず会社トータルで見るとこのようになっており結構ジグザグしていますが収益性はここ数年で大きく改善してきています。

直近である2018年度の業績を見ても

営業利益:16億ドル(10.2%)

純利益:12億ドル(7.7%)

EPS:2.68ドル

となっており、会計上は既に黒字化しています。


利益の中身についてもう少し見ていきます。

実はネットフリックスを利益面で引っ張っていっているのは売上の増加が著しい国外セグメントではなく米国内セグメントのおかげで黒字化している構図となっています。


最近になって、国外セグメントの方もやっと黒字化してきましたが米国内と比較するとその差は大きく、金額にしても4倍ほどの差があります。

売上は同じぐらいなのにここまで差が出てしまうのは、国外セグメントはまだ投資段階にあり今後収益化(値上げ等)を徐々に進めていくと見られます。

恐らく会員数がある程度積みあがってきた国から値上げ等の施策が行われると思いますので、そうなると会員数の増加数は鈍化してくるでしょうが、まだまだ利益面は今後数年かけて成長すると思って良さそうです。


2019年度も既にQ3まで終了していますが

両セグメントとも利益率は更に改善してきており、特に国外セグメントについては今期は最終的に15%ほどのマージンを残せそうだと会社発表で記載がありました。


実際にQ3までの業績を比較して見ると

売上:147億ドル(+約25%)

営業利益:21億ドル(+約55%)

純利益:12.8億ドル(+約18%)

となっており、今のところ順調に成長しています。純利益があまり伸びていないのは税金の負担が大きくなったためです。
本来はもう少し税負担は少なくなるはずですが一時的な要因が発生しているのかもしれません。

EPSの成長率


EPSも2016年からはしっかり伸びています。同社はまだ投資段階であるため自社株買い等は行っていませんし、むしろまだ株式数が増加している段階にも拘わらず、EPSがこの勢いで伸びている点は非常に好評価です。


ネットフリックス特有のキャッシュフロー問題

会計上では毎年黒字で純利益も前期は12.1億ドル(7.7%)とそこまで悪くありませんでした。

ですがネットフリックスの場合、キャッシュフローを見ると少し不安になります。

●営業キャッシュフローは、△26.8億ドル。
●フリーキャッシュフローは、△30.2億ドル。

となっており、特に営業キャッシュフローマイナスは2018年度で4年連続のマイナスとなりました。

なんでそこまで差がでてしまうのか。

営業キャッシュフローの中身で大きい所を見るだけでなんとなくわかります。(※2018年年度のCF計算書から)

「Additions to streaming content assets」(コンテンツへの投資費用):130億ドル

「Amortization of streaming content assets」(コンテンツの償却費):75億ドル

コンテンツの購入と償却の差額は約△55億ドルとなり、純利益12億ドルから差し引くとおよそ△43億ドルものキャッシュの流出となります。

これが会計上だと、即座にはP/L上に表れないので一応会計上は黒字。という事になります。

『コンテンツ投資→費用』 ではなく、
『コンテンツ投資→資産→(複数年かけて)費用化』

という事になっています。

ストリーミングコンテンツ資産の90%以上が4年以内に償却されるという。
償却スケジュールは実績と推定による視聴パターンに基づいており、四半期ごとに見直していると同社は説明している。

WSJより引用

要するに、

営業CFで支払って手に入れた(作成した)コンテンツはそのまま「 content assets(コンテンツ資産)」としてバランスシート上に資産として計上される。

そして資産計上されたコンテンツ資産は毎年償却が行われ複数年に渡り償却し費用化している。

結果、2018年度は約75億ドルのコンテンツ資産を償却している。

という事になるようです。なんだか難しいですね。会計がわかる人でないと詳細まで理解するのが難しそうです。

また別の視点から見ていくと
2016年には33億ドルだった長期借入金が2018年には100億ドルと3倍に膨れ上がりました。

それによって支払利息も約3倍である4.2億ドルに膨れ上がり会計上でも利息という形で収益を圧迫しています。
営業利益16億に対して借入金の利息として毎年約20~30%支払いが発生するのは結構効きます。

今のところ毎年、長期借入金が増加しており2018年度では約40億ドル規模の増加となりました。前年は65億ドルだった借入金が1年で103億ドルまで増えた事になります。

このコンテンツへの投資をどこで止めるのか?という点が気になってきますが、この規模で投資を続けている限りとても健全な財務状況になるとは今の時点では思えません。

借りたお金は当たり前に返さないといけないので、どこかのタイミングで大規模なコンテンツ投資の縮小を実行しないといけないはずです。

その時に基盤が出来ていれば大きく業績が落ちる事もなく、キャッシュが積みあがっていくと思いますがもしもコンテンツ投資をやめた途端、業績が大きく落ちてくるようであれば一気に財務面への不安が強くなりそうです。

今のところ年間30億ドルのペースで債務が増えており借入金額は直近である2019年9月の時点で120億ドルを越え更に増加を続けています。

コンテンツ投資を縮小したらどうなるのか私はいまいちわからないので何とも言えませんが
財務面で見るとネットフリックスにとって大きな不安要素のひとつかなと感じます。


まとめ

世界最大規模の映像ストリーミング配信企業となったネットフリックス。

会計上は黒字化しておりコンテンツ企業としては最有力と見られている事は間違いありません。
売上・利益の成長も絶好調で全世界で「Netflix」はもっと広がり続けると思います。

懸念点があるとすればやはり財務面。

多額の借金をして、丸々コンテンツへ投資しているから常に余分なキャッシュはない。だから配当金も出せないし自社株買いもできない。
(※そもそも、まだするつもりもないでしょうけど。)

会計上は黒字となっていますが営業CFが大きなマイナスとなっている以上、長期で投資する場合、信頼できる優良企業か?と問われると、正直な所、紹介はしづらいです。


今の時点ではあくまでキャピタルゲインしか狙えませんし恐らく今後何年間はその状態だと思います。

稼いだお金を回して業績を伸ばしているわけではなく借金で基盤を作っている段階

という状態ですので会計上が黒字だからと言って安心はできないです。

こんな感じの会社もあるんだな~と思うとともに個別株はよく調べないと怖いよな~

と、改めて今回調べてみて感じました。


すごく勢いのある企業で非常に魅力的ではあるものの残念ながら私の投資方針とは方向性が違うみたいです。


※投資は自己責任です。あくまで参考程度にお願いします。

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