墜落事故で再注目を集める航空機メーカー ボーイング【BA】

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世界最大級の航空機開発製造メーカー

今回は米唯一の大型旅客機メーカーの

ボーイング【BA】

について調べてみました。


ボーイングと言えば

今、悪い意味で注目されている機体「ボーイング737 MAX」

この機体は2017年に従来型737NGの後継機として就航、そして今年3月に運航停止となりました。

その原因についてはニュースを見ている方はわかるのですが

2018年10月、2019年3月と立て続けに墜落事故を起こし安全性の面から各国が運航停止命令を出し、2回目の事故が発生した数日後には全世界で運航停止となりました。

ボーイング737MAXは同社の主力製品であり、業績への影響も非常に大きなものとなります。

この問題についてはいまだに解決しておらず、各航空会社からは補償要求も数多く求められており今回の事故の影響で大幅な減収減益になる事態となりました。

株価についても2度目の事故発生前は440ドルと最高値を記録していましたが
現在(11月上旬時点)では340ドル付近まで下げる事となりました。

しかしながら2017年年初付近では150ドルだった同社の株価を考えると下げたと言っても
そこまで悲観的になるほどの下落でもなく、加熱気味だった株価が今回の事故をきっかけに
調整段階に入ったと見る事もできるような動きですね。

ボーイング737MAXの運航再開についてはいまだに確実に日程が出ておらず、どこまで影響が続くのは引き続き気になる所ですね。


では、簡単に同社のビジネスについて簡単に見ておきましょう。

同社のビジネス

ボーイングは世界最大級の航空宇宙機器開発製造企業であり、アメリカ唯一の大型旅客機メーカーです。

同規模のライバルとしてはヨーロッパのエアバス社との2強という構図になっており
比較的競合の少ないビジネスを展開しています。
今日の世界中の空を飛び回る民間機の約半数がボーイング製という事になります。
また貨物機については世界の貨物の90%が同社の機体によって運ばれているという状況です。

他にも宇宙関連からセキュリティ、防衛関連まで幅広い製品とサービスを提供しています。

同社の部門を分けると大きく3つの部門に分かれます。

【民間航空機部門】

主力であり渦中の機体でもある737MAXをはじめとする旅客機とビジネスジェットや貨物機等で構成されている。
【防衛・宇宙・セキュリティ部門】

軍用から宇宙船開発まで幅広い範囲で研究開発を進め投資を続けている。
【グローバルサービス部門】

2017年に上記の部門から分けて新たに作られた部門。各種アフターマーケットサービスを提供しています。

そして、上記の3部門とは別にボーイングキャピタルと呼ばれる金融サービスをお客様向けに行っています。


【売上の構成比】で見てみると

民間航空機部門:60%
防衛・宇宙・セキュリティ部門:25%
グローバルサービス部門:15%

【利益構成比】で見た場合は

民間航空機部門:65%
防衛・宇宙・セキュリティ部門:15%
グローバルサービス部門:20%

となっており基本的にはやはり「民間航空機部門」が同社の業績を引っ張っている事がわかると思います。


業績について

では早速、同社のこれまでの業績についてみていきましょう。
先に事故発生前の2018年(前期)までの業績です。

直近の業績

【2018年 年間業績】※前年同期比

売上:$1,011億(+7.6%)
売上総利益:$196億(19.4%)
営業利益:$120億(+16%)
営業利益率:11.9%(+0.9ポイント)
純利益:$104億(+23.7%)
純利益率:10.3%(+1.3ポイント)
EPS:$17.85(+$4)

となっています。

まず最初に気になるのがEPSの成長率ですね。前期から比較すると30%近く増加しました。

これは単純に純利益が増えたというのもありますが、プラスで自社株買いによって1株あたりの利益が押し上げられた事が大きな要因のひとつです。

後ほど説明をしますが同社の自社株買いの規模は半端ない、というのだけ覚えておいてください。
(※事故発生後の今期については期待できませんが)

売上については微増ながら、利益額、率ともに前年を上回っているので順調に推移してきていました。

利益率についても最終利益である純利益率が10%を超えている事からも
1,000億ドルを超える巨額な売上規模から見るとなかなか収益性の高いビジネスであると言えるでしょう。


そして航空機というのも、今後世界から消える事は考えられませんので長期的に見ても
比較的安全なビジネスを展開している企業だと言えます。

これは長期投資を目的としている投資家からすると、欠かせない条件のひとつですね。

過去の業績

では次に、過去をさかのぼって業績の推移を見てみることにします。

まずは売上と利益の推移をグラフにあらわしたものです。

こんな感じになります。

売上も利益も順調に伸びています。
ここ最近の推移を見てもこの規模でさらに利益率が上がってきている点は投資家目線で非常に好感が持てます。

今回の事故のような緊急事態を除けば非常に成長が期待できるのではないでしょうか。


次にEPSと配当金についてみてみます。



配当金については2012年から増配が再開されましたがEPSの成長率が増配の勢いについていけず配当性向については上昇していくというパターンが続いていました。

それを2018年のEPSの大幅な増加によって前年は60%まで迫っていた配当性向を一気に40%前半まで落ち着かせたという感じですね。
これによって(※この時点では)今後の増配に余裕が出てきたように見受けられます。

今の時点で配当利回りは2.3%~2.4%程度となっており
現在の配当金の成長率と将来的な伸びを考えると高配当企業となる日もそう遠くはない
のではないか、と思います。

そして次に見てほしいのが同社のEPSを爆発的に押し上げる要因にもなっている
大規模な自社株買い。

フリーキャッシュフローとの対比でみるとこうなります。

2013年から開始された自社株買いは年々規模を拡大して
リーキャッシュフローの大半を自社株買いに充てている
というような状況になっています。

これも稼ぐ力が強い同社だからできる株主還元ですね。

今期については事故による減益や補償が迫ってくるため自社株買いは期待できませんが
状況が落ち着いてくれば以前のような状態に戻ってくる事を期待してます。

四半期ベースでの業績

本来であれば長期保有を目的としており、年数も長い企業のため四半期ベースの数字は
そこまで気にしなくてもいいのですが今期については見ておいた方がよいでしょう。

なにせ、ここまで頑張ってきたEPSが一時的に大きく減少する事となりそうですので…

【2018年 Q3単体業績】※前年同期比
売上:$199億(△20%)
売上総利益:$30.5億(△25%)
営業利益:$12.6億(△43%)
純利益:$11.6億(△50%)
EPS:$2.07(△$2)

Q3単体でみると売上は20%の減少となっていますが前四半期と比較すると
多少戻ってきている感はあります。
利益率についても大幅な減益にはなってはいるものの、さすがに赤字転落しなかったため
まだ見ていられる業績の範囲です。


ただし、累計でみると非常に怖くなります。

【2018年 Q3まで累計業績】※前年同期比
売上:$560億(△20%)
売上総利益:$25.7億(△76%)
営業利益:$2.3億(△97%)
純利益:$3.7億(△95%)
EPS:$0.65(△$11.35)

ここまでの9か月間の実績を見てみるとこんなに悲惨な感じになります…。

前期にあれだけ急激に上げてきたEPSが一気に赤字寸前まで減少しました。

(※NonGAAP EPSだとQ3四半期累計では赤字転落となっています。)

特に実際に事故の影響が大きく表れたQ2ではEPSが△5.21ドルだった事が通期のEPSを
さらに押し下げました。

Q2が大きく赤字となったのは補償費用として約49億ドルを計上したためです。

Q4単体の業績によっては一転して赤字転落する可能性もまだあります。
本来であればQ4が1番利益が出る期間なので恐らく赤字転落とまではならないでしょうが
今期については非常に厳しい状況ですね。

まとめ

昨年のEPSを基にすると現在のPERは約20倍
今期の最終のEPSを約3ドル程度とすると100倍を超える計算になります。

墜落事故による補償や、そのほか諸々の費用で合計100億ドル程度費用が増えると見られています。

ここまでEPSが下がるのは今期だけになるかとは思われますが、事故の大きさが大きさなだけに今期だけの一時的な影響になるとも思えず今後は仮に運航再開したとしても

・大きく信用を失ってしまった事や
・補償費用が49億ドルに収まらなかった場合等

様々な不透明感が強く付きまといます。

今回の事故による業績への影響が落ち着くのはやはりまだ先になりそう。

前期の水準のEPSに戻るのは2~3年後頃を目安に見ておいたほうがいいかもですね。

それを踏まえて今の段階で同社の株を保有した方がよいのか、ちょっと難しいですね。

なにかきっかけがあればもう少し下げそうな気もしますし、運航再開の見通しも明確には決まっていないのでそれを見極めてからの検討でもいいのかなという思いで見ています。

個人的にまとめるとすると…

将来的にはまだまだ売上・利益ともに拡大すると思うけどもう少し様子見した方がいいかも!
長期保有を目的に保有するのであれば今の内から買い始めるのもあり!

という感じかなという所です。


※投資は自己責任です。あくまで参考程度にお願いします

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