
新しくPFに追加した【STNE】
以前、分析記事を作成したナスダックに上場しているブラジルのフィンテック企業
STONE【STNE】
を先日から保有し始めたので改めて今度は業績面を深堀りしてみました。
実は最初の分析記事を6月の後半にアップして以降、株価が上げ始めて買うタイミングを
掴めていませんでした。
ところが、私の保有株のグロース枠である「ドキュサイン」が先日の決算で爆上げしたため一旦利益確定。
そのタイミングで直近の高値38ドルから30ドル付近まで下がっていたSTNEを捕まえてみた、という感じです。
という事で長期保有の米国グロース株として私のポートフォリオに加わった新しい仲間を改めて紹介。
STNEはどんな企業なのか?
もしよかったらこちらの記事も読んでみてください。
業績について
同社の業績については昨年10月に上場した企業であるため過去の業績が少ないため将来的な予測が難しいです。
が、四半期決算がこれまでに4回発表されているので確認できる所までで見てみます。
ちなみにグロース株の場合、私は年単位ではなく四半期決算の業績を重要視しています。
直近の業績
まずは8月14日に発表された2019.Q2決算を見てみます。
【2019.Q2の実績】(※前年同時期と比較)
売上高:R$5億8,600万(+約68.6%)
営業利益率:35.7%
調整後純利益:R$1億9,400万(+約173%)
調整後純利益率:34.8%
となっており、その他の大事な指標である
TPV(総決済額):R$298億(+約60%)
アクティユーザー数:360,000人(+159,000人)
と、こちらもやはり前年と比較すると急増しています。
しかしながら、「営業利益額」で見るとこれまで四半期ごとに増加していたのですが
Q2決算では
2019.Q1:R$2億4,500万 に対し
2019.Q2:R$2億100万 と
約14%の減益(※前四半期比・営業利益)となってしまいました。
ただ、調整後の純利益を見ると
2019.Q1:R$1億8,630万 に対し
2019.Q2:R$1億9,400万 と
最終的な調整後利益では微増ながら増益となっています。
欲を言えばどちらも増益であって欲しかったですが成長株なので一時的な結果であれば問題なさそうです。
ただ、ここは次回の決算で経過チェックをしておきたい所ですね。
過去の四半期ごとの業績推移
次に過去にさかのぼって四半期決算の業績を見ていきます。
(とはいっても上場してまだ1年もたっていないので約2年間分くらいしかありませんが)
公表されている範囲の四半期の売上の伸びはこのような感じになっています。

売上については2018.Q4以降の成長が緩やかになったように見えますが
前年同四半期と比較すると+70~100%と驚異的な勢いで増加しています。
また利益率については見てわかる通り非常に高い水準で推移しています。
純利益率は脅威の20~30%以上と、とても魅力的です。
ちなみに前四半期比で見ると売上の成長率はこんな感じ。

今期に入って鈍化気味ですが一時的なモノであってほしいと思ってます(希望)
そして、同社の成長の勢いを図る上でチェックしておきたいのがやはり顧客数の増加ペースです。

グラフを見てもわかるように勢いはまだまだ継続しています。
この伸び率であれば頭打ちになるのはまだまだ先の話に思えそうです。
EPSから見る現在の株価
ちなみに今の株価は高いのか安いのか、どうなのでしょうか。
まず気にかけておかないといけないのが「ブラジルレアル」での表記という事。
業績の成長率以上に、新興国なので為替による影響が強烈に加わるのでなかなか難しいですね。
2011年なんかと比較すると3分の1ぐらいになってるし…。
とりあえず今の水準(1レアル:0.24ドル)で出してみます。
・2017年:R$△0.49($△0.11)+0.03
・2018年:R$1.29($0.37)+0.48
・2019年:R$2.60($0.62)+0.25 ※予想
・2020年:R$4.00($0.96)+0.34 ※予想
だとすると現在の株価$33で計算すると
PERは53倍
例えば2020年に1株あたりの利益が$0.96となったとします。
決して難しい数字ではないと思ってます。
するとその時点(1.5年後)で既にPERは34倍となります。
さらには為替の影響も大きく関係してくるので
ブラジルレアルの為替が1レアル:0.3ドルなんかになったりすると
EPSも$0.96 → $1.2 となって
PERは27倍程度となり成長株としては割安な水準まで落ちてきます。
(為替については予想は難しいので逆に通貨安が進んだ場合は割高になりますが…)
あくまで1.5年後のPERでもこの程度です。何年後のEPSを織り込んだのかわからないような成長企業よりもよっぽど安定感があります。
というのもフリーキャッシュフローは前期で既にプラス圏内に入りました。
金融関連の企業なのでどちらかというと営業CFよりフリーキャッシュフローを重要視した方がよいと思っています。

いつ黒字化するのか、しかも競合が後をたたない、割高なSaaS企業よりも安心といえるのではないでしょうか?
まとめ
そもそもブラジル自体、政治的な不安や通貨安等、まだまだ課題は多く残りますが
人口数や平均年齢的には魅力的な市場である可能性は高いと思っています。
上記のEPSの部分でも書いてみた通り為替の影響で大きく業績が左右されますが
ここ最近は一時期に比べると安定している方なので、きっかけがあれば通貨安が解消される可能性もあります。
そんな事を考えているとその辺の超割高なSaaS銘柄や収益化するのかわからない新サービスを行う企業を買うよりもよっぽど値上がりする確率が高い気がするのは私だけでしょうか…。
STNEの事を書いても記事は伸びませんし調べても注目してる人が少ないので
私は何か大きな勘違いをしているのか?とか考えてしまいますがどうなんだろう…。
新興国の決済手段をサポートする企業
と考えたらまだまだ伸びると思うのだけれど。
これからも伸びるであろう新興国の「決済」分野のシェアをこのまま拡大できたなら、と思うと今の株価は絶対安いよな~と思ってしまいました。
という思惑で購入に至りました。
良くも悪くも新興国でのビジネスである以上、絶対安心とは言い切れませんが成長性と可能性は十分ではないでしょうか!
※投資は自己責任です。あくまで参考程度にお願いします。