株価が低迷している60年連続増配企業 3M【MMM】

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世界屈指の化学・電気素材メーカー  3M

今回は米国を代表する世界的なサイエンスカンパニー

3M【MMM】

について調べてみました。


同社はこれまで毎年増配を続けており、継続年数もついに60年を越えました。

しかし、ここ最近の株価の面を見ると2018年3月につけた250ドル付近を頂上に現在まで下落が続いています。
その影響(おかげ?)もあって配当利回りは3.5%と高い水準まで急上昇しました。
直近の高値から3割以上も下落しており現在もまだこの下落トレンドは収まっていないみたいです。

というのも2013年までは100ドル以下の株価で推移していましたが、それ以降の株価が急上昇しており、その影響もあってなかなか落ち着き所を見つけれずにいるような状況に思えます。

しかも追い打ちをかけるように今年4月25日に発表した決算報告では、
・通期利益見通しの引き下げ
・2,000人の人員削減を発表しました。
翌日の同社の株価は△13%安と、失望売り状態になりました。

続くQ2決算(7月25日発表)でも市場予測ほど悪くはなかったにしてもやはり期待を超える業績が残せず減益。いまだ復活の兆しは見えていません。

通期のEPSを9.25~9.75ドルとの見通しを継続していますが現時点では非常に厳しい状況だと思われます。

前置きからいきなり数字ばかりになりましたが、まずは同社の事業内容から見ていきましょう。

事業内容

「サイエンスカンパニー」という言い方が正しいのはわかりませんが
同社はヘルスケアや自動車、はたまたエネルギー等、様々な業界に向けて科学を活用した多くの製品を提供しています。

世界有数のなんでも屋さん(※どんな業種でも活用できる多くの技術がある)
のようなポジションにいるのではないでしょうか。

私自身も以前の職場では「機能性素材」として3M製品を目にしていましたし産業向けから消費者向けまで幅広く活躍している米国企業です。

以前、調べた日本の多角化経営企業として「オリックス」を取り上げた事がありましたが
「3M」は世界有数の多角化経営企業として成功している企業の一社ですね。

↑オリックスの検証記事はこちら

次に同社のセグメントごとの売上の割合を見ておきましょう。
(※2018年の通期を参考にリバランスしています)

・産業:35%
・安全&グラフィックス:20%
・ヘルスケア:17%
・エレクトロニクス&エネルギー:15%
・消費者向け:13%

平均でざっくり出してみるとこんな感じになります。

一番規模の大きい産業向けと言っても世界中の全産業向けですからだいたいの目安程度に。

国別に見てみるとこんな感じですね。

・米国:40%
・アジア:30%
・欧州:20%
・ラテンアメリカ:10%


さすがは多角化経営企業といった所でしょうか。

柱となるセグメントが一応しっかりとあって米国を中心とつつ、売上の6割は米国外で稼いでいる
というような印象です。


業績

過去の業績

次に業績の面を見ていきましょう。
やはり長く存続していて安心感がある企業でも業績がブレると今の時代ではどうなるかわかりません。

まずは過去12年間の業績はこのようになっています。(リーマンショック時の業績も入れたかったので)

リーマンショック時には売上・利益ともに大きく減少していますが翌年以降はしっかり戻して比較的順調に微成長しています。

同社の場合は業績急拡大を期待するというよりも、配当や株主還元を重視する規模まで成長を果たしているので長期的に売上・利益が多少でも伸びていればそこまで悲観的にはならないと思っています。

しかし、ここ最近の様子を見ると業績は「黄色信号」になっているように見受けられます。

売上は2017年から盛り返しているとはいっても営業利益率が低下しています。
増収減益というのは個人的には結構注意が必要だと思っていて要は「競争力の低下」「効率・生産性の低下」の影響が既に出ていると見れるからです。

2018年に至っては税金の関係で最終利益は増益となっていますが本業である営業利益で下がっているのはあまり良くない兆候だと言えると思います。

自己資本が下がり続け利益は伸び続けていた事からROEは50%付近と非常に高水準となっています。

毎年自社株買いを行っているため自己資本が年々減少しています。
しかも資産とともに負債も年々増えている事から自己資本比率が引き下げられ結果的に異常な数値のROEとなりました。

要するに上げた利益は配当と自社株買いで株主に還元し、その一方で資産・負債が増えているといった状況です。
内容を見て見ると2016年~2017年の間に長期負債、その他負債が大きく増えているようですね。

同社の場合にいたっては、高水準なROEだけを見ているとちょっと危険な気も…。
英語の決算書なので結構見る手間や確実性に不安な部分がありますが、わかる範囲で見ている限り自信満々で財務面はOKとも言えない気がします。

直近の業績

グラフを見てもらうとわかると思うのですが明らかに利益率が減少しています。

ちなみに今期を含めて過去3年間のQ2までの累計を比較するとちょっとヤバめな状況です。

確かにこの結果を見ると現在の株価の落ち込みようも納得がいきます。
そして人員カットも発表したという事は回復する見込みが薄い可能性もあるのかな、と最悪パターンも頭に入れておく必要があるかも。

貿易摩擦の影響が大きいとのアナウンスもありますが
ここまで影響するものなのか、とも感じるほど数字の悪化が目立ちますね。

しかしはじめの部分でも書いた通り通期のEPSを9.25~9.75ドルの見通しで維持しているという事はまだ希望は残っている可能性もあるのか?

もしくは、なんとか下半期でできる限り業績を盛り返した後、最後の一押しは大規模な自社株買いでEPSを無理やり引き上げる?
なんて、さすがにそこまではしないですね。

どちらにしても下半期の業績は要注目です。

配当や自社株買い等の株主還元

EPSと配当性向


EPSは基本的には右肩上がりの気持ちのグラフになりました。
配当金も増配は続いていますが、配当性向を見る限りEPSの増加よりも配当金の増加の方が勢いがあり直近の2018年では配当性向も60%を超えました。

少し余裕がなくなってきた所で今期の業績の悪化傾向は少し心配です。

しかし下記のキャッシュフローを見ると結構安心できる水準で推移している様子です。

営業キャッシュフローと投資キャッシュフロー




フリーキャッシュフローと株主還元


参考程度にフリーキャッシュ面から見た「配当金」と「自社株買い」の比較はこんな感じ。

ただし「配当金」だけでなく「自社株買い」も積極的に行っているので稼いだ以上に株主還元として吐き出している印象です。
この自社株買いの金額の大きさは結構気になりますね。

ここまで来ると良いのか悪いのかちょっとわからなくなります。

まとめ

今回もフリーキャッシュフローの面から割安だと思えた事から「3M」について調べてみました。

しかし結果としては既に十分過ぎるほどの株主還元を行っている、業績や財務面も不安箇所が結構多いという面から

なんとなく怖いので見送り
(※思った以上に株主還元の面で無理してる??)

といった結論になりました。


調べてみた結果を振り返ってまとめて見ると、業績の悪化もさることながら
どちらかというと財務面や株主還元が少し過剰な面で不安を覚える結果となりました。

株主としては多く還元してくれるのは嬉しい事ですが、これも企業あってのこと。
あまり負担が重くのしかかるようであれば事業への支障も出るでしょうし、このままいくと増配が止まった時に現実味はあまりないですが結構悲惨な結果(急に大幅減額??等)になってしまう可能性も否めないのかな、とも感じました。

※投資は自己責任です。あくまで参考程度にお願いします。
※特に財務面の考えは素人目線での考え方なので気になる方は実際に数字を見て判断してください。

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