米国の高配当企業 AT&T【T】

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米携帯電話サービス会社 AT&T

今回は長期投資家定番の米国企業についてです。

米国の高配当企業のひとつである

「AT&T」

ここ最近は「AT&T」よりも「ベライゾン」という風潮が広がってきていますがやはりここの利回りは長期投資家にとって非常に魅力的です。

なぜ元々高水準だった利回りが更に高くなった(なってしまった?)のか。PERを見ても非常に割安に見えます。

その原因については

●エンターテイメント事業の競争が激化、業績低迷
ネットフリックス等が展開するストリーミングサービスに押され気味、というかすごい勢いで押されてる
●買収したタイムワーナーの負担が重い→債務負担増
ただし借入金は2018年6月をピークに減少傾向が続いていて返済が予定通り進んでいると見られている。

主に上記の理由によって
同社の株価は2016年頃から事業の先行きの不透明感と度重なる買収による借入金の負担が懸念され下落基調にありました。

しかし、昨年末から株価が反転してきたため、現時点で同社はどのような状況にあるのか改めて調べてみる事にしました。

過去10年間の売上と利益の推移

まずはとりあえず過去の業績の推移を見ておきます。
過去10年間の売上と利益はこんな感じですね。

売上は平均で見ると増加を続けていますが利益率については結構ブレがあります。
しかしここ数年は「営業利益額」で見ると安定しています。

あえてなのか自然となのかわかりませんが、売上額の上下による利益額への影響は少なくなっています。
本当は、売上額が上がっているので利益も比例してしっかり付いていってほしいのが本音ですが。

しかし当期純利益については様々な要因によって相変わらず大きく前後していますね。
本業で上手くいっていれば基本的にはそこまで気にしなくてもいいのかなと思っています。
(2017年については税金の関係で純利益が跳ね上がっているので基本的には10%前後が平均のようです。)

次は、同社のキーワードである配当関係」について見ていこうと思いますが
ここ最近の買収によって配当についても今後影響が出る可能性がかなり低いものの若干ながらありそうなので「借入金の返済」と「配当」の関係から見ていく事にします。

買収による借入金の大幅増加

タイムワーナーの買収によって拡大した借入金の負担はどの程度なのか、そして高配当企業として人気の同社に与える影響はどうなのか、これまでの業績指標から確認してみました。

まず、一般的な配当金とEPSの関係から割り出そうと思いましたが調整済EPSは必要な資料を集めきらず、EPSで比較してみてもいまいちわかりにくい…。
という事でフリーキャッシュフローと配当金、借入返済金の関係をまとめるとしっくりとくる形になりました。

それがこんな感じです。

これまで、「配当金」と「債務返済」のフリーキャッシュフローにおける関係性はほぼ同じ比率で推移していました。
ところが、タイムワーナーの買収によって債務の返済が急増した事からその差がグラフのように大きく広がりました。

買収によって懸念された1番の要因はこの大きな乖離具合を懸念された物と思われます。

配当金の原資にあたるフリーキャッシュフローが「債務返済」に飲み込まれ「配当金」が減額されるのでは?という懸念は高配当企業としては一番痛い懸念案件である事は間違いありません。

しかし、借入金の返済については適切に進められており元々キャッシュフローの状態が健全だったので比較的早く返済し終えると見られています。

そのため一時的な負担増加のために配当金をどうこうする可能性は非常に低いとは思っています。

万が一あるとすれば、増額を一旦停止する程度で、もしその時に株価が大きく下げるようであれば、返済が落ち着くまでの一時的な処置と見られるのでその時は追加買いした方が長期的には非常にプラスに働くのでは、と思っています。

事業の先行きに対する不透明感

次の懸念事項はこれです。どちらかというと気になるのはこっちですよね。

同社の場合は、売上・利益率ともに一番規模が大きいモビリティ事業が牽引しているため利益水準は比較的高めに推移しています。
しかし売上については他の部門(主にエンターテイメント事業等)が下げている影響もあり既存事業のみをトータルで見ると減収となっています。

●モビリティ事業は売上停滞ながらも増益傾向
●エンターテイメント事業の減収減益が大元の悪材料
ここも売上は減少していますが優先順位はそこまで高くありません。

モビリティ1本柱は怖いので、「ディレクTV」等を展開するエンターテイメント事業を推し進めてきましたが伸び悩むどころか契約者数はネットフリックス等の競合におされ契約者数は過去1年の間で約10%の顧客が減少する事になりました。

そこで盛り返すために「エンターテイメント事業」とのシナジーを求めて「タイムワーナー買収」という事になったようです。

しかしこのタイムワーナー買収が同社の投資家には歓迎されていないようで

ネットフリックスやアマゾン等との競争が激しいコンテンツ・ストリーミング配信事業への投資加速

「本当にその路線で大丈夫なの?」という市場の反応が現在の株価といった所でしょうか。

元々、モビリティ事業のおかげでそれなりに高水準だった利益率がコンテンツ事業への投資拡大の影響で後々利益率が引き下げられる可能性や、単純に他社とのシェア争いに負けた時にどうするのかという点で懸念が広まっているようです。

既にレッドオーシャン感が漂っている「エンターテイメント事業」。

既に契約者離れが加速してきている同社のストッパー、起爆剤としてタイムワーナー買収が貢献できるのか、が今後の気になる所ですね。

ただ、
巨額な負債を抱えてまで欲しいのか?モビリティ事業の方向を強化した方が良いんでない?というのが恐らく市場の大方の見方だと思われます。

まとめ

上記のように懸念点はそれなりにありますが、とりあえず少数組み入れる事にしました。

私が今更組み入れた理由としては単純に「割安になってきた」という理由からです。
本当はもっと良い買い場があったとも思っていますが、実際に株価も反転してきた今のタイミングぐらいがいいのかなとも思っています。

正直な所、業績への懸念という点を考えたら一般的な意見ではあまり期待されていないのかもしれません。

とは言っても完全にバリュー株として定着しており急に株価が半分以下になったりする事もそうそうないので長期で保有する分にはまだまだ安定感のある方ではないでしょうか。

現在の株価の水準と配当利回りで考えると長期間保有が前提であれば仮に業績が下り坂になったとしても大きなマイナスにはならないだろうという感覚です。
(景気敏感株のような業績の急転落というのはないと思っているので。)

長期的に業績がどんどん悪化していくようだったり、配当に悪影響が出ればまた話は変わってきますが…。

しかしながら、ここまで今回の買収は悪い要因の方が多いのかと個人的には少し疑問に感じている点もあります。

確かにネットフリックスやアマゾンは非常に手強い競合である事は間違いなく、後を追う同社としては、果たして今更追いつけるのか?という見方も理解できます。

でも、今回の垂直型買収によるシナジーを同社がしっかり物にできるのであれば、ネットフリックスやアマゾンよりも、ひとつ武器を多くもった状態で戦えるという事になります。

米国の情報通信大手という立場を存分に生かす事ができれば他よりも優位な条件にたてるように個人的には思います。

長く残る企業にはそれだけの「強かさ」も持ち合わせていると思っています。

ただし、

「ワーナーメディア」「エンターテイメント」の今後の業績
「モビリティ」の利益率の動き

この2つだけはしっかり見ておかないと痛い目にあうかもしれないので要注意です。

※投資は自己責任です。あくまで参考程度にお願いします。

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