ZOZO【3092】2020.Q1決算を検証

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【ZOZO】2020年3月期Q1決算発表

今回は昨日2020年Q1決算が大幅増益と発表され、決算翌日の今日は株価も大幅高となった

ZOZO【3092】

の決算内容について見ていく事にしましょう。


実を言うと私も一時期ZOZOの株を持っていた時期があったのですが当時の思惑が外れ、現在は保有していません。

同社はツイッター界隈でも良くも悪くも度々話題にあがる事が多い前澤社長が率いる日本企業です。

アパレル業界の利益率を公表したり、高額なアート作品を購入してみたり、はたまた芸能人とのスキャンダルがあったりアカウントを叩かれる事も多いようですが自由な雰囲気を好む若者には人気がある(?)みたいです。


事業内容を簡単に

そんな前澤社長が率いる企業としての「ZOZO」は高収益企業として上場以来、高い評価を受けながら現在の地位を築きました。

恐らく日本のほぼ全ての人が事業についてはなんとなくは知っていると思いますが簡単に事業内容を残しておきます。

OZOといえばもちろん、ZOZO TOWN(ゾゾタウン)ですね。

今でこそ、社名はZOZOですが去年の9月まではスタートトゥディという社名でした。
ゾゾタウンというアパレルEC業界にとっては欠かせないプラットフォームを作り上げた事で
アパレル業界というくくりで見ると、売上・利益ともに圧倒的な成長力を誇っていました。


ゾゾスーツが開発されるまではいわゆる「他社アパレル製品販売に特化したEコマース」を運営する企業でしたがゾゾスーツをきっかけにPB商品にも力を入れ始めるようになったのが、ここ数年の動きです。

成長戦略が大きく変わった事でずっと右肩上がりだった同社の株価が急落する事となりました。


そこからゾゾスーツ関係の紆余曲折(納期遅延、測定能力の不備、徹底等)を経て、一旦以前に近い体制に戻した所というのが現時点だと思います。


2020年3月期Q1決算の結果

過去の業績をおさらい

今回の決算内容を見ていく前にこれまでの業績を一度見返しておきましょう。

直近の6年間の売上と利益の推移はこんな感じです。


2019年まではとてもナイスな状態で売上、利益ともに成長しています。

各利益率等の指標を見ても、高い水準でほとんど横ばいで推移している事から非常に安定感がありました。

ところが2019年度の会計期間中に大きく変動が起きているのがわかると思います。

「売上総利益率」と「販管費」の悪化。
それにより営業利益、純利益ともに大きく下げる事となりました。

PB商品関連の評価損計上、ゾゾスーツ無料配布とそれに関連する販促費増加等の影響により苦戦を強いられる事になりました。

昨年はゾゾスーツによって、同社に対する見方が大きく変わった1年だったのではないでしょうか。

「余計な事をした」という見方もあるかもしれませんが、同社に対する期待は当時の株価やPERの数値から見ても大きくそれに応えるためにテクノロジーを取り込んで思い切った事に挑戦してみた、とも思えます。

革新的な事を目指そうとした姿勢は、現在の日本企業の中では数少ない積極志向の企業だと思うので今回は結果的には失敗しましたが、現在も新たな施策に取り組んでいる最中です。

Q1単体での業績

それでは、本題の今回の決算はどうだったのでしょうか。

【2020.Q1業績結果】

売上高:281億9,700万円(+6.2%)
営業利益:77億8,600万円(+32.6%)
純利益:53億2,600万円(+27.9%)

となりました。
32%と大幅な増益となり、決算翌日の今日は約10%の大幅高を見せてくれました。

しかし、これは本当に「成長が続いている」という見方が正しいのか確認してみました。

まずはこちら、四半期ごとの売上の成長を見てみます。


売上高が前年同期比20~40%と大きく成長していた前期と比べ、売上の成長率は前四半期から大きく減速しました。

グラフにはありませんが過去5年間を見ても常に20%以上の成長を見せていた頃と比べると様子が異なります。

それはゾゾスーツの大規模な遅延や(利益率の公表や値下げ企画等によって起きた)アパレル会社との不信感による同社のイメージダウンの影響もそれなりにあったのではないかと推測しています。


次に四半期ごとの各利益率を出してみました。

今回の決算の業績(2020.Q1)を見て一番気になるのは「売上総利益率」の部分。


ちなみに商品取扱高比で見ると粗利率は低下(34.4%→33.2%)していますが、
売上高比で見ると粗利率は前よりも更に良くなっている(91.3%→93.1%)ように見えます。

決算資料にもありますが、
有料会員サービスによる値引き額が商品取扱高比の方では控除前、売上高比においては控除後の数字となり、粗利額に対しての売上高の割合が下がる事によって粗利が改善したように見えているだけなので同社の資料でも公表してある通り「商品取扱高比」の粗利率という見方が正確に思います。

なので

値引きキャンペーンの影響で粗利益率は減少した(当たり前ですが)

と見るのが自然かと思います。

決してコスト削減ができたというわけではないようです。

他の部分を見ても、前四半期と比較すると明らかに改善しているように思えます。

しかし、昨年の業績悪化は一時的なものであったので前年同期比で見ると大幅増益となりますが、業績悪化前の一昨年のQ1決算と比較するとどうでしょうか?

【2020.Q1業績結果】※2018.Q1との比較

売上高:281億9,700万円(+31.4%)
営業利益:77億8,600万円(-2.4%)
純利益:53億2,600万円(-4.1%)

となります。売上は大きく伸びているのに対して利益は微減。
ここからわかる事は高収益企業と呼ばれていた同社の収益率が明らかに悪化しているのは間違いなさそうです。

トラブルの原因だったゾゾスーツは(一応)やめたから、もう大丈夫!というわけにはいかなそうですね。

さらに同社の場合は、営業キャッシュフローがこれまでのプラス傾向から一転、前会計期間では大きく下げました。
2018年はまだ営業キャッシュフローが伸びていたのでそこまで気になりませんでしたが
前期では営業キャッシュフロー、フリーキャッシュフローともに悪化しました。

この点も今後、更に悪化するようであれば注視が必要になってくるのではないでしょうか。


2020年3月期の通期予測

最後に2020年3月期の通期予測を見てまとめに移りたいと思います。


【2020年3月期の通期予測】
売上高:1,360億円(+13.6%)
営業利益:320億円(+24.7%)
当期純利益:225億円(40.8%)


(↓念のため2018年3月期との比較も)


【2020年3月期の通期予測】※2018年3月期との比較
売上高:1,360億円(+38%)
営業利益:320億円(-2%)
当期純利益:225億円(+11%)

上の方でも説明した内容とほぼ同じような業績予測とはなりますが、やはり2018年比とでは営業利益は微減益と想定しているようです。
当期純利益については約10%程度増加する予想ですが何か秘策があるのでしょうか。

しかし、やはり企業の利益の根源は本業で結果を残す以外ありませんので今後の業績も非常に気になる所です。

まとめ

今回は前澤社長率いるメディア注目の企業「ZOZO」の決算について調べてみました。

同社は非常に安定した業績をこれまで残していましたがゾゾスーツの開発を境に少し様子が変わってきました。

アパレルEコマースの雄としてはまだまだ揺るぎないポジションにいる事は変わりありません。

ゾゾスーツ等のテクノロジーを駆使して新たな事に挑戦する姿勢は日本企業の中でもトップクラスだと思いますので今後もなにかハッとするようなものをリリースして欲しいと思います。

まとめとしては、

業績回復と見るには、まだ早い。
今後の業績において再加速の材料が出るまでは様子見

とした方が個人的にはいいのかなと思っています。

現在の状態(利益成長停止)で株主優待もなくてPER30倍付近というのはまだ下げる余地は残っていそう、とも思ってます。

今回の決算がきっかけで明日からも連騰し、2,300円まで達するようであれば私なら「売り」かなぁ、と。
(短期トレードをするならですけど。)


※投資は自己責任です。あくまで参考程度にお願いします。

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