景気後退期に強い?日本株 カチタス【8919】

今回は近い未来に訪れるであろう、
景気後退期
におすすめできそうな銘柄について検証してみる事にしました。

と言っても本当は別の内容(空き家問題)に強い日本企業として調べていましたが、調べていくにつれ、
あれ、この企業は不景気に強いかも?
という検証結果になったので記事タイトルを差し替えた、という流れでございます。

そんなこんなで今回調べてみた企業は
カチタス【8919】
です。

皆さん恐らくご存知のリフォーム戸建中古物件の販売企業ですね。

なぜ不景気に強いという結果になったのか、読み進めていったらわかると思いますので最後までどうぞお付き合いください。

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中古住宅再販最大手 カチタス

先日、日本の「空き家」についての記事を見ました。

本来であれば「空き家問題」は現在、そして今後の日本にとって不安材料のひとつですが
そんな問題を事業としてプラスと捉える事ができるであろう企業として

中古住宅再販の最大手企業 カチタス

について検証をしてみる事にしました。

日本の空き家問題

「空き家問題」についてはここ数年、報道でも取り上げられる事が多くなり、総務省の出した統計では2018年時点で
総住宅数に対して約13.6%が空き家である
との統計結果がでました。

ただ、そんなマイナスな記事の中でもプラスだった面もあります。
それは15年施行の「空き家対策特別措置法」の影響により取り壊された空き家件数も増加したため、元々想定していた増加率に比べると13.6%でも思っていたよりも大きく下回った、という事。

しかし、それでも空き家件数が増え続ける事には変わりなくこのままいくと
約10年後には4~5戸に1戸が空き家
という「空き家大国」になってしまう可能性が高いと想定されています。

空き家の保有者にとっては、実は売りたくても売れないという現状が強くあります。
昔建てられた家が多いため過疎地域にあったり、建物の劣化が激しく買い手が見つからない。
持っていても管理が大変だったり、住んでいなくても固定資産税を払わないといけなかったりといまやほとんどの空き家を含む保有物件は
「資産」ではなく「負債(負動産)」
として、保有者を苦しめている存在に成り下がってしまいました。

しかも、今後さらに空き家件数が増えていくと想定されている事から今よりももっと売れにくくなる事が簡単に想像できるでしょう。


空き家問題の救世主?

そんな中で注目したい企業が一昨年の年末に上場した「カチタス」です。

なぜ注目すべきなのかまずは簡単に紹介します。

・中古住宅再販の最大手である。

・今から家を買う世代(若年層)の中古住宅人気が上昇している。

・中古物件数の増加により物件価値低下→同社にとっては仕入値(原価)の減少


H30.3月に発表された「住宅リフォーム実例調査」によると
「戸建て」のリフォームを行った30代以下で「中古住宅の購入に合わせて」と回答した割合が
一昨年の23%から昨年の統計では32%へ急上昇しました。

また、「空き家の活用のため」という理由でのリフォームも30代以下の割合が他の年代に比べ4~5倍も高い。

ここからわかるのは

「若年層の中古戸建物件への需要は大きい」という点です。

かくいう私も中古物件をリフォームしようかと考えている30代以下のひとりです。

なぜ若年層に増えたかというと今の20~30代はお金を持っていない人が多いです。
(※今流行りの40~50代の早期退職募集(リストラ)がもっと増えれば今後は少しは改善はしていくと思いますが)

合わせて、メルカリ等のフリマ市場が流行っている理由のひとつに「若年層の所有欲の低下」があります。
上の年代の人と比べると「人が使っていた物にそこまで抵抗感がない」のです。
今までは新築がメインとされていた住宅市場もいわゆる「中古」で全然問題ないという意識があるのでしょう。

ただ実際には、中古物件を購入した後に大規模なリフォームを自分で業者へ手配したりするのは面倒だという人が多いはずです。

もっと言うと、地方や小規模の業者と直接取引をすると実はトラブルが多く、思っていた以上に費用がかかったり契約の内容でトラブルになるケースが多いという背景もあります。

「中古物件はお得だけど自分でリフォームするのはやってられない」

中には自分でリフォームを楽しみたいと思う人もいますが、大多数の人は上記のような気持ちになっているはずです。
これが今まであと一歩、中古物件に踏み込めなかった人達の大部分を占めていそうですね。


手間を考えて中古物件を諦めかけていた人に

新築で買うよりもリフォームして綺麗になった中古物件が新築の5~6割の価格で売られていたら

そっちの方が断然魅力的に見えますよね?

そんなニーズをとらえた企業が「カチタス」です。

 

ビジネスモデル

まず同社のビジネスモデルがどのようなものなのか改めて見てみましょう。

ビジネスの流れとしてはそんなに複雑ではないので簡単に説明しますね。
一言でいうと、

戸建てのリフォーム済み住宅の販売

ですね。

流れとしては

①空き家を仕入(安価で割安な物件を狙う)

②リフォームをする(各メーカーや工務店に安定的、かつ大量発注にて低価格でリフォーム)

③新築の半額の値段を目標に販売する

というビジネスモデルを構築し成長を続けています。
同社がここまで順調に成長を続けている大きな要因がこの2つでしょう。

明確なターゲット層

中古住宅買取再販事業において、同社の販売件数は2位以下に圧倒的な差をつけてトップをほぼ独走しています。
今までの同業者内で敬遠されてきた地方都市や郊外の戸建てをターゲットにし現在のポジションを確立しました。

同社がターゲットにしている買主の年収層も200~500万円と上に記載した現代の若年層に多い年収層をカバーしています。

元々は競売仕入をメインとして事業を行っていましたが買取仕入へとシフトし年々競売比率を低下させ今期はほぼ100%が買取仕入での事業へとシフトチェンジが完了しました。

一通りの仕入ルートのシフトチェンジが終わった事で
「年10%程度で安定成長していくフェーズへ突入した」
と決算資料で発表をしました。


地方暮らしに憧れる人が増えている点も同社の事業を後押ししていると考えられます。
例えばテレビ番組「ポ〇ンと一軒家」が好評なのも地方暮らし人気を裏付けるひとつではないでしょうか。

明確にターゲット層を決めて事業を行った結果が今の事業規模を作り出したと言えそうです。

ニトリとの資本業務提携


そしてもうひとつ同社を理解するにあたって欠かせない事があります。
それは「ニトリHD」との資本・業務提携です。


この業務提携によって(消費者のメリットとして)

・ニトリの家具付き中古住宅では、入居後のイメージがしやすくなおかつ家具代も住宅ローンに組み込めるため負担が軽くなる。

・カチタスで中古物件を購入された方へ割引販売。

ができるようになりました。


市場規模


また、上記でも説明しましたがカチタスが今まで、そしてこれから取り込めるであろう潜在的な顧客を簡単にこのように定義しています。

地方の借家住みで年収200~500万円、かつ持家志向の世帯


世帯数で表すと約138万世帯あると言われています。

(※持家志向という条件を外すと約333万世帯あり、この層(+195万世帯)も将来的に顧客になる可能性があります。)

カチタスの年間販売件数は約4,000件なので
ターゲット比:0.3%(現時点)
とまだまだ拡大の余地は大きいと言えそうです。


ただ不動産関連の企業の怖い点は
・不良施工や不正施工により経営に大きなダメージを受ける可能性
は頭の隅っこの方に入れておいた方がいいかもしれないですね。

現に同社は何も問題を起こしてはいませんがTATERUの問題発覚の時には連想売りで大きく下げた事もありました。

しかしながらカチタスには品質管理に厳しいニトリがついていますので監視の目が強いという点ではほかの不動産関連の銘柄よりは多種は安心できる方かもしれませんね。

(業種が違うので実際はそこまで関係ないのかもしれませんが)


直近の業績

さて、ではいよいよ業績について見てみましょう。
まずは前期の業績からです。

【2019.3月期 通期業績】
売上:813.5億円(+17%)
営業利益:91億円(+23%)
経常利益:87.4億円(+28%)
純利益:59.2億円(+30%)

次に今期の業績予測がこんな感じです。


【2020.3月期 通期予測】
売上:89.8億円(+10%)
営業利益:100.3億円(+13%)
経常利益:100億円(+15%)
純利益:68億円(+15%)



同社のここまでの四半期ごとの業績を一旦グラフに直してみました。



グラフから見てわかるのは

・売上額が一番高くなる時期はQ3期間(10~12月)という事。

・Q4期間は「売上に対して販管費率が高くなる傾向」にあるという事。
(資料によるとQ4に販管費が増加する要因は決算特別賞与が約2億支給された影響です。)

一時的な物なので業績への悪影響はないと考えます。むしろ賞与が出せるほど好調と見てとれます。

=Q4は賞与抜きの数字か、Q3とQ4はグロースで、と考えた方が良さそうですね。


一時的にかかった費用を上期・下期で分散したらこのような感じになります。

どうでしょうか?
事業の勢いとしてはまだまだ問題なさそうですね。

2020.3月期からの新中期経営計画では

売上・営業利益ともに10%超えの年平均成長率を目指す。

との事ですが比較的保守的な目標に見えます。3年後の業績は想定よりも上振れしている可能性も高いのではないかと個人的には感じます。


営業キャッシュもプラスになり、フリーキャッシュフローもプラス転換しました。
財務的にも改善が見られ事業が安定してきています。


景気後退期に強い理由(まとめ)

(※ここまで「景気後退期に強い理由」が一切書かれていません。すみません、もう一息です。)


そもそもアメリカやヨーロッパ等の中古住宅の割合は住宅市場の約8割を占めています。

それに対して日本ではまだ4割程度しかありません。


なぜアメリカは8割の世帯が中古住宅を選ぶのか、それは「耐久性が高いから」です。

日本では昔に建てられた住宅は木造が多いため、耐久年数が長くありません。

しかし今では「長期優良住宅」を推進する時代の流れ等もあり耐久性の高い物件が増えてきました。

さらには昨年4月に告知が義務付けられた「ホームインスペクション」等、中古物件が広がる環境が徐々にですが整ってきています。

そうすると
日本の中古市場が欧米諸国と同じく8割近くまで上昇する可能性を感じます。


「持家志向は新築物件が常識」という状態からカチタスに限らず「中古戸建物件」も
検討対象に含まれる事が圧倒的に増えると見ています。

さらには、これから近い内に来るであろう景気後退期という環境下では
新築よりもコスパの高いリフォーム済み中古物件
という流れになる可能性が高いです。

(※終盤の締めにやっと出てきました。大変お待たせしました。)



なぜそうなるのでしょうか、至極簡単に考えてみましょう。

景気が悪くなった(消費税も上がったしキツイ)→消費力が減る→新築よりコスパ良い中古住宅に魅力

「え、ここまで読み進めたのにそんな簡単に考えていいのか…時間返せ!」と思われるかもしれませんが

事実としてリーマンショックが起きた年以降の数年間、住宅市場における中古物件の比率が激増しました。
(「数年間」と書いたのは統計結果の公表が途中で終わってしまったため)

実際は中古物件の購入件数が増えたのではなく、新築の購入件数が激減したため。
中古物件の購入件数はまったく影響なし、でした。

というのが正しい見方です。

ただ、この結果で想定できるのは

・中古物件は不景気に強い

・元々は新築志向だった世帯が不景気のため中古物件の購入に切り替えた

という見方も正しいと思います。

今後は中古住宅市場は急拡大とはいかないとしても、不景気に強く地道に市場が膨らんでいく業界の1つではないかと思います。

【今回のまとめ】

リーマンショック級の株価暴落時は全力でカチタスを拾おう

という、近く来るであろう買いタイミング(株価暴落)に向けての検証でした。

あ、もちろん不景気が到来しなかった場合でも、それはそれで中古市場の勢いが増しさらなる事業拡大が進むだろう、と考えています。

「不景気に強い」というよりも

景気に大きく揺さぶられず右肩上がりの業績が続く企業

という風に見てもらえたらと思っています。


投資は自己責任です。私個人の見解ですので参考程度にお願いします。

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