マイクロンテクノロジー【MU】2019年度3Q決算まとめ

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米半導体大手 マイクロンテクノロジー

6月25日に米半導体大手である、マイクロンテクノロジーの決算発表がありました。

決算発表後の株価は大幅高となり前日比+13%の急反発となりました。

同社は、DRAMチップやフラッシュメモリ等の製造を主力に世界の半導体製造企業の中でもトップクラスの売上を誇ります。
その中でも、特にDRAMチップについては上位3位以内(他、サムスン・SKハイニックス)のシェアを持っています。

米中貿易摩擦の影響をモロに受けている企業のひとつで今回の決算は市場でも注目されていました。

ちなみに同社の業績をけん引するDRAMは、
従来PC需要がメインでしたが、その後スマホ需要が増え、最近ではAI関連に始まり自動運転・5G等での需要が徐々に増えてきていました。

さらに上位3社だけで市場の9割以上のシェアを独占していたため、
価格も年々引き上げられてきました。

しかし、スマホの生産減や貿易摩擦の影響もあり2018年後半を境に販売価格が大幅下落を始めました。

そんな悪材料が重なった中での、2019.Q3の四半期決算の発表でした。

2019.Q3決算の内容

それでは、決算内容を見ていきましょう。

【2019.Q3決算】
売上高:$47億8,800万(△38%)
売上総利益率:38.2%(△22.2ポイント)
営業利益:$10億1,000万(△74%)
営業利益率:21.1%(△29.6ポイント)
Non-GAAP EPS:$1.05(△$2.1)

NonGAAP EPSについては、アナリスト予想は$0.79だった事から大幅に上回りました。

と業績を出した上で同社CEOは

「需給改善の兆候が見られるが、需給バランス調整のため2020年度は大幅に設備投資を削減する予定」

と発表しました。
恐らくDRAM価格の減少が止まらないため生産量を抑える方向に向かうようです。上位3社で寡占化しているからこそできる対策ですね。

また、注目のファーウェイに対してのコメントも発表しており、

「不確実要素はあるが一部製品については出荷を再開した」

と発表しました。

現に、ファーウェイは同社の最大顧客であるため禁輸措置の影響で売上ベースで約$2億程度、押し下げられたとの事でした。

そして同社の見通しでは半導体需要の回復は今年下期になると従来の回復予想時期を貫いた形の発表でした。

出荷再開の動きは非常に良い事なのですが、これに対してトランプ大統領が今後どのような反応を示すのか、非常に気になる所です。

業績に目を移しても売上の減少もさることながら、

利益率の悪化も相当なレベルまで落ち込みました。

売上総利益率は前年同期比との差で約22.2ポイントのマイナス。
前四半期であるQ2と比較しても約11ポイントのマイナスとなっています。

製品別の詳細についても念のため確認しておきます。

【DRAM】

売上:$30億(売上構成比64%)前年同期比△45%
ASP:△20%
出荷量:ほぼ横ばい

【NAND】

売上:$15億(売上構成比31%)前年同期比△25%
ASP:△10~15%
出荷量:1桁台の割合で減少

※ASP…平均販売価格

次に、ユニット別の売上高はこんな感じ。

【ユニット別売上高】

PCネットワーク:$20億8,000万(△48%)
モバイル:$11億7,000(△33%)
ストレージ:$8億1,300万(△29%)
組み込み型:$7億(△22%)

次に同社の顧客を地域別に見てみます。(2018年度のデータ)

【地域別売上比率】

中国:57%
米国:12%
台湾:9%
アジア:8%
ヨーロッパ:7%
日本:4%

となっています。

やはり地域別の顧客を見ると中国向けが多く貿易摩擦の影響が大きくなるのは明白ですね。

利益率急低下の要因は?(仮説)

今回の決算を踏まえ少し感じた事がありました。

それは
売上は大幅に下がっているのに売上原価については変わっていない
という点です。

だから、利益率が落ちているんですけどね。
ただ販売数量が減少しているのであれば、おのずと仕入も減るので原価が下がるのではないかと。

しかし、DRAM・NANDの売上の詳細を見ると

①出荷量は数%程度の減少

②ASPが合わせておよそ18%程度の減少

③売上は35%程度の減少

この3つの条件を踏まえて一番簡単に考えられる要因としては当たり前ですが

原材料の仕入額は変わっていないのではないか

です。

仕入額は変わらず、販売価格だけが下がってきている影響の方が大きいとしたら

サプライヤー側の影響は限定的になるのではないか

と思ってしまいます。

とすると、半導体の原材料としてはたくさんありますが、私が思い浮かぶのはシリコンウエハです。

半導体製造装置の減少、DRAMやNANDの販売単価減少は言われていますが
半導体素子であるシリコンウエハ専業の「SUMCO」の業績は保有株という事もあり決算ごとに確認しているのですが貿易摩擦の影響はまだ数字上はそこまで表面化されていないと感じていました。

SUMCOは前回のQ1決算では、ほぼ横ばいだったものの上期業績については減益となる旨を発表しました。

しかしマイクロンの決算内容を見ると

原価が変わらない=SUMCO等のサプライヤー企業の影響は同社ほど大きくない?

のではないかと考えてみました。

とは言っても希望的観測な面の方が大きいので
半導体「素子」のスーパーサイクル
を頑なに信じている私みたいな人向けの妄想ですね。

しかも、SUMCOの同社に対する出荷量は約8%程度だったと思うので、
SUMCOにとっては韓サムスンや米インテルあたりの情報の影響が大きくなります。
7月の決算発表は要注意ですね。

決算翌日の株価大幅高の理由

大幅減益の決算を発表した翌日に、まさかの10%超えの大幅高を演じました。
正直、反発の可能性もあるとは思ってましたがここまでとは予測してませんでした。

考えられる理由とすると、

①一旦の悪材料出尽くし

②ファーウェイへの一部商品出荷再開

③週末のG20への淡い期待

等が考えられるかなと思います。

まず①についてはさすがにこれ以上悪化する事はないだろう、という思いがあると思います。
株価は年初来高値から20%以上も下がりPERも割安になり、今回の決算では純利益が80%近く減少、それでも予想よりは上回った、となればここが底だと考えるのも十分あり得ると思います。
ただ、減益拡大のスピードが尋常でないのでまだブレーキがかかりそうにない、というのも正直な所です。

②については、一部商品がどの程度の量なのか不明ですが恐らく業績持ち直しの効果はほぼないと思われます。
メディアはあたかも出荷再開が反発のきっかけと伝えそうですが実際の影響は少ないでしょう。

次に③ですが、これについては色々な思惑がありそうなのでどう動くか全然わかりません。
ただ今回買われた理由は正直少ないと思っていますので、もしかしたら米国企業がここまで業績が悪化しているため
G20で中国側と貿易摩擦解決の可能性は0でもなんらかの合意をするのではないか、
という見方もできると思います。

…ちなみに、私が昨日SUMCOを少し買い増ししたのは③の理由です。
正直短期的なトレードになってしまう事は承知の上で配当金ももらえるし多少値下がりしてもまぁいいか、ぐらいの感覚で追加しました。

まとめ

今回は検証というよりも、持論多めの内容となってしまいました。

ひとつ言える事は

半導体業界についてはいまだ業績は悪化している最中であり、底は見えていない。

という事でしょうか。

長期投資家からすると買い場は今じゃないと思われます。

株価が下げ止まってから、ではなく貿易摩擦の決着が見えてから、が良さそうですね。

【最後に】
投資は自己責任です。あくまで参考程度にお願いします。

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