ブロードコム【AVGO】減益決算の衝撃

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81%減益を発表したブロードコム

6月13日に2019年期2Q決算を発表したブロードコム【AVGO】が時間外取引で7%の急落となりました。

ざっくりとした減益の原因については基本的には

・昨年の税制改正の反動

・半導体市況の悪化

に間違いはないと思いますが、

ここまでは市場でもある程度予想されていたと思われますので新たに?表面化した悪材料として受け取られたのが

売上高の8%下方修正

ではないかと思われますが、本当に今晩の米国株式市場でも下落で始まるのか気になるので念のため決算内容を基に確認をしてみることにしました。

事業内容

投資をされている方はみんな聞いた事があるとは思いますが簡単にブロードコムについて書いておきます。

ブロードコム(Broadcom)は半導体デバイスを製造する米国企業です。

ちなみにファブレスと呼ばれる「工場を持たない製造会社」で、かつ買収を繰り返して成長してきた会社という風に見られています。

その影響もあって取扱い製品帯は多岐にわたり、幅広い電子部品等の製造を請け負っているトップレベルの半導体大手企業ですね。

「工場ないのにどうやって製造するの」ということですが、
要はブロードコムで設計や開発等を行い、実際の製造にかかわる業務は他社の工場に委託して製品を製造しています。

同社の行っている事業をおおまかに分けると

・有線通信関連
・無線通信関連
・データセンター周辺機器・ストレージ関連
・産業・車載関連

となっています。

大きく分けると上記の4つに分かれますが、先ほども書いたように非常に多くの商品群が様々な用途・業界に合わせて開発されているので

 

「通信ネットワーク関連に強い世界最大級の半導体企業」

というイメージで間違いないです。

直近の業績

それでは、13日に発表され急落の原因となった2Q決算の内容について見ていきましょう。

2019.2Q決算
売上高:$55憶(+10%)
当期純利益:$6.9億(△81%)
EPS:$1.6(△$6.7)
Non-GAAP EPS:$5.2(+$0.3)

GAAPベースで見ると
営業費用が$21億で前年同期と比較すると+$7.7億と約36%も増加しています。

その要因は、販管費の増加と買収関連の無形資産償却による影響のようです。
この点については、昨年同期比では大幅増となりますが前回1Q決算と同じ程度なのでここは特に気にしなくても良さそう。

セグメント別の売上を見ると

●半導体ソリューション:$41億(△10%)
●インフラソフトウェア:$14億(+216%)

となっており、半導体でマイナスになった分をソフトウェア部門でカバーしているようなイメージになります。
ソフトウェア部門

減益の理由は前年同期に計上した米国の「税制改正」の利益がなくなった事が大きく影響しています。

その額は約26億程度の減益となっています。

仮の話ですがそれを考慮した場合は、

2019.2Q決算
売上高:$55憶(+10%)
当期純利益:$6.9億(△37%)
(※前年同期が$11億(税改正の効果除く))

純粋に事業による業績だけで見ると減益には変わりありませんが、およそこのあたりの数字になると思われます。

また今回の決算発表で通期の業績予測も修正がありました。

通期決算予想

売上高:$225億(半導体~:$175億/インフラ~:$50億)

(※従来発表していた$245億から下方修正を発表)

となっています。

これは、年後半に回復すると見られていた半導体市況が貿易摩擦の影響で現時点では回復を見込めなくなってしまった、という見通しで下方修正になったものと思われます。

元々、昨年の段階で今年後半に回復すると見込まれていた半導体関連企業で実際に下方修正を出した事で他の半導体関連の企業にとってもマイナスに動きそうです。

決算資料の発表によると、同社を取り巻く製品の需要は大幅に減速しており、その原因は

・地政学リスク
・貿易摩擦(顧客であるファーウェイの注文の激減)

であると公表しています。

ブロードコムの売上比率を見てみると約半数が中国向けとなっており、中でもファーウェイは主要顧客の1社である事から今後の業績へ更なる悪影響を及ぼす可能性は高いです。

同社CEOによると、
ファーウェイに対する昨年の売上高は約$9億と全体の売上のおよそ5%をも占めています。

他企業も発注を減らしており「極めて急激な縮小」とのコメントも出しているぐらいです。

また米国国内向けの売上は約14%ほどと中国と比較すると大きくないが、昨年から販売数量の鈍化が警戒されている「iPhone」部品のサプライヤーでもある事からスマホ関連の顧客との受注額減少も表面化してきているはずです。

さらには、頼みの綱と見られる「データセンター」関連の受注だが、
同市況の足元の需要は貿易摩擦の影響もあり想定外に思わしくないはずなので、ここがどこまで今後の業績に寄与してくれるかが肝心なポイントになりそうです。

なぜなら、データセンターの需要はこれまで通りの状況に戻れば更なる拡大も予想されますがファーウェイの制裁解除は恐らく当面は厳しく、さらにはバチバチな関係になってしまった「中国」関連の売上が50%も占めるというリスクは結構な物です。

同社の株価は5月後半に底値を付けたように見えましたが、上記に書いた影響を鑑みると同社の株価の低迷はまだ続きそうです。

まとめ

元々、同社の顧客割合を見ると中国向けへの比率が大きい事や、スマホ関連の市況悪化の影響も既に織り込み済みだと思われてましたが、ここにきてもう1段の下落が発生しそうです。

逆に言えば、

今晩の米国株式市場でそこまでの下落とならなかった場合、または下髭ができるようなチャートにでもなれば、半導体関連もさすがに底打ちになるのかなとも感じます。

そして私は保有している「ザイリンクス」も今晩は下落で始まりそうですね。

ザイリンクスもアジア太平洋エリアへの売上がこちらも半数近く占めているので、ブロードコムの株価につられるように下げるように思います。

ただ、厳密に言えばザイリンクス等の企業については決算でよほど悪化していなければ
既にある程度は織り込まれて現在の株価になっていると私は思っているので多少楽観視しています。

(そもそも、そんなに保有株数も多くないので)

まだまだ米中の喧嘩には振り回されそうですが適度な所で早めに解決しなくとも落ち着く事を祈りながら今晩の動きを見てみようと思います。


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