
セキュリティ企業 ゼットスケーラー
今回は「クラウドストライク」の上場も間近に迫っているという事で、同じくセキュリティ関連企業である
ゼットスケーラー
について調べてみようと思います。
同社はクラウド型によるインターネットセキュリティプラットフォームを提供している米国企業。
昨年IPOを果たして以来、約2倍に株価が上昇し市場からも非常に期待の大きい企業です。
今、セキュリティ関連企業は世界的なICTやAI技術の発達により、今後急激に増える情報を守る存在として注目度の高い業界です。
今回はまだ時価総額も$100億以下と、旨味がありそうな同社について長期投資に適しているか検証をしてみました。
事業内容
上にも書きましたが同社はクラウドセキュリティのプラットフォームを提供する企業です。
はい。こちらもやっぱりSaaS企業ですね。
随分前から、もうSaas関連じゃないとこれからのビジネスは成り立たないようです。
同社の強みを簡単に説明すると、
②アプライアンスを使わないためコストを抑える事ができる
③SSLの暗号化通信セキュリティにも対応している
セキュリティ関連の企業はたくさんあるので、何がいいのか、どこがいいのか、正直なかなかわからないという方が多いと思います。
その点でいうと同社の強みは上記のような内容になります。
同社の接続方法は、
クラウド上にある同社のセキュリティゲートウェイを介してユーザーと接続するシステム
になっています。
他のセキュリティ企業に多い方法は、外部から一旦社内のネットワークを介してクラウドと接続をする方法が多いため、これだとネットワークインフラ整備のコスト増や通信速度に影響がでるため効率が良くない。
しかし同社の場合は、クラウド上のセキュリティゲートウェイを経由するだけで安全に接続する事ができるのです。
経由する工程が減る事で通信速度に対する悪影響も少なく快適に利用できるようになります。
またコストが抑えられる要因は、本来コストのかかるセキュリティアプライアンス(専用機器)が不要になるため、という事です。
さらにSSLの暗号化通信に関する脅威への対策も同社のセキュリティゲートウェイでは高速に処理ができるとも公表しています。
日本でもhttps化が進められている一方で、セキュリティ面では検問の工程が増えるため負荷がかかり従来のアプライアンスでは能力不足という問題も起こっています。
その部分も同社のサービスを使えば高速で処理ができるという事で優位性をアピールしています。
米国を始めアジアにも商圏を広げており、グローバル化も着々と進めているようです。
直近の業績

最近の3年間の売上の推移をグラフ化してみました。
成長が鈍化する事もなく非常に順調に推移しています。
同社の直近の業績である(2019.07.3Q)を見てみましょう。
【3Q単体】
売上高:$7,910万(前年同期比+61%)
EPS(non-GAAP):$0.05(前年同期比+$0.07)
【3Q累計】
売上高:$2億1,670万(前年同期比+61%)
EPS(non-GAAP):$0.16(前年同期比+$0.45)
【4Q通期予測】
売上高:$2億9,800万~3億
EPS(non-GAAP):$0.16~0.18
非GAAPベースでは今期は黒字化となる見込みです。
前期までは投資費用が重なり赤字だったため、これからは回収フェーズに入っていくと思われます。
売上総利益率も約80%と非常に利益率の高いストック型ビジネスモデルのため、事業の拡大に伴い、土台がしっかりすればするほど安定してくるはずです。
4Qも恐らくほぼ予測通りに着地しそうなので、次は2020年度の通期予想に注目が集まってきそうです。
セキュリティ市場規模
あるレポートによるとサイバーセキュリティに対する脅威が高まっており、市場規模も年々拡大していると言われています。
世界のサイバーセキュリティ市場は
2018年に1,530億ドルと言われており、2022年には2,320億ドルまで伸びる見通し
があります。
伸び率は50%と市場規模も年率10%を超える勢いです。
その中でも日本のセキュリティ企業におけるシェアは海外に比べると非常にシェア率が低くセキュリティ面で投資をするのであればやはり海外企業に勝機がありそうです。
中でも勢いでいうと「ゼットスケーラー」はトップレベルの伸びを続けている事から、競合も多い業界ではありますが、独自の強みを生かして業績を伸ばしていくのではないかと思っています。
まとめ
今回は有望セキュリティ企業として「ゼットスケーラー」の業績を見てみました。
直近に迫った「クラウドストライク」のIPOで再注目を集める可能性があり、将来性・成長性ともに更に大きな期待が寄せられると思います。
同社への投資について今の株価は高いのか安いのか、という点で確認をしてみます。
ちなみに今期の通期予測のEPSで割安度を見ていくとPER450倍付近となります。
正直な所、いくら期待感が先行しているからと言ってもPERが450もあるとちょっと思い切りがつかないです…。
やはりセキュリティ関連については元々市場からの注目度が高いという事もあり、株価は既に遠い先の未来の業績を織り込んでいるみたいです。
よって、今回のまとめは、
PER450には手を出さない方が無難!
…残念ですが、とっても期待はしていますが今回は見送りとしたいと思います。
【業績も順調、市場も拡大を見込んでいる、強力な持ち味もある。】
という事は今回調べてみて改めて感じましたので、米国市場が暴落するのを首をなが~くして待ってみようと思います。