
トレードデスクという米国企業
時価総額が100億米ドル以下の成長著しい企業の中から気になった企業を分析して未来のGAFAになる企業を探す
という長期投資に適したテーマで紹介していこうと思っています。
記念すべき第1号は
トレードデスク 【TTD】
です。
それではどのような事業を行っている企業なのか、見ていきましょう。
事業内容
トレードデスクという企業を聞いた事がない人も日本では多いかと思います。
今年に入って株価が急騰し、5月時点で約2倍にまで急騰しました。
分析前は若干過熱感もあるように見えましたが調べてみると、過熱感ではなく期待感の方が断然大きい企業のように見えました。
同社が行っている事業は大枠で言うと「広告関連」の企業です。
ただ、その広告の中でも近年急激な勢いで伸びている
DSP広告(デマンドサイドプラットフォーム広告)
という広告に力を注いでいます。
DSP広告とは、広告の費用対効果を上げるために狙ったユーザーに対して最適な広告をシステマティックにセレクトして配信する広告サービスです。
広告主の効率化を支援するために、それぞれの工程をひとつのプラットフォームに集約し顧客である広告主に提供しています。
わかりやすく言うと、
というようなイメージです。
トレードデスクは2016年にナスダックに上場し、上場以来順調に業績を伸ばし業績も黒字をキープしている期待の優良企業です。
直近の業績
次に直近の業績を見てみましょう。
米国のIPOと言えば大赤字が当たり前!というのが定番の印象ですが、同社はそんなIPO状況で非常に珍しい?黒字企業です。
上場以来、売上額・利益ともに右肩上がりで成長しています。既に収益も確保できているという面では安定した長期的成長を見込めます。
直近の業績を見てみるとこのような感じです。
直近の四半期決算 1Q
売上高:$120,987,000(+41%)
純利益:$10,151,000(+12%)
EBITDA:$24,000,000(+30%)
2019年通期見通し
売上高:$645,000,000(+35%)
EBITDA:$188,500,000(+18%)
今期の予測も大幅な2桁増収増益で着地する見通しを発表しています。
広告の中でも成長している分野であるのに加え、この勢いを見れば数年の間は増収増益は崩れる事はないはずです。
しかしながら、同社のPERを見てみると期待が高すぎるため100倍付近の水準で推移しています。
現時点で見ると割高に思えるかもしれませんが、長期的な視点で見ると調整が入る局面はあったとしてもこのままの勢いで進捗すれば現在のPERの水準も決して高くないように思います。
NEXT WAVEの提供開始
2018年6月後半には「NEXT WAVE」と呼ばれるAIを活用した広告プラットフォームを開始しました。
このプラットフォームに含まれる同社の「Koa Ai」は毎秒900万件の広告媒体の検索が可能とよくわからないほど速く多くの検索結果を導き出します。
他にも主に広告費を抑えながら効率的な広告を表示させ、またその成果を早期に把握できるというようなツールが組み込まれており、更なる成長のためのドライブとして期待されています。
プログラマティック広告の将来性
プログラマティック広告は世界中の広告の中ではまだ比較的小さな割合しかありませんが2019年には$330億となっており前年比20%の成長率を誇ります。
今後ほとんどの広告がデジタルの広告になるのに伴って、プログラマティック広告が活用される場が急激に増えていくと予想できます。
また、あるレポートによると全てのテレビCMの3%はプログラマティック広告によるものであり、いずれ100%プログラマティック広告になるだろう、という見方もあります。
DSPをはじめとするプログラマティック広告が新たな広告商材のスタンダードになる可能性も高いようです。確かにこれだけ様々な場面でAIや自動化が進んでいるのを見ると広告業界も遅かれ早かれ完全にシフトしてもおかしくないように思います。
要するに今トレードデスクは行っている事業は広告業界の中でも最先端で、しかも時価総額も$80億と将来性を考えるとまだまだ安いと判断できそうです。
これからはインターネットTVや、スマートスピーカー等の音声機器による音声広告等、今までよりももっと様々な形で広告は拡大を続けるはずです。
現代の広告の移り変わりを見ると安易に想像がつきます。
コネクテッドTV(ネット接続型テレビ)は2018年で約8倍増加し、オーディオ広告も約2倍増加しました。
そして、トレードデスクは特にこのコネクテッドTV向けとオーディオ広告向けに多額の投資をしています。
今よりももっとプログラマティック広告が市場に浸透してきた時にもトレードデスクはその業界の先頭をまだ走っているはずなので、様々な企業の需要を巻き込んで成長をしていって欲しいと思います。
まとめ
まだ日本では知名度が高くなく、資料も英語で書かれた物が多いため正確に捉える事ができているか少し不安ですがそれでも現在の成長分野である現状と市場の注目度を見る限り、常にチェックしておきたい企業だという事は変わりません。
ただ、同社は中国市場への投資も進めていますので貿易摩擦による影響もなんらかの形であるのではないか、という懸念もあります。
特に米中の貿易摩擦はハイテク関連の覇権争いの一面も強いので、中国が米国の広告関連企業を締め出すような可能性もあるかもしれません。
市場の投資家も恐らくそういう懸念を持っていると思うので年初から急騰した株価は一旦近い内に軽い調整が行われそうです。
なんらかの形で米国市場が急落に見舞われたタイミングで同社株がつられ売りされたら買い始めたいと思っています。
長期保有銘柄としてはズバリ
大アリ!(必ず欲しい)
集中的に投資しても、よっっぽどの事がない限り損はしないだろうというぐらいおすすめです。
皆さんも置いて行かれないように注視しておいた方がいいかな~なんて思います。