
5月2日に米ナスダックに上場した代替肉を中心に製造する企業
ビヨンド・ミート
上場初日、IPO価格25ドルから初値46ドルとなり、その後も約2週間の内に大きく伸び続け一時96ドルを記録しました。
時価総額は早くも40億ドルを突破しています。
日本にいると、ほとんど聞かない「代替肉」や「ビヨンド・ミート」とは一体何でしょうか?
まだまだ日本には情報が少ないですが、この多くない情報量は投資をするにあたって非常にチャンスになるので
色々調べてみたので今後の参考になればと思います。
人口肉・代替肉とは
まず世界中で注目されており、需要が著しく拡大している人口肉の市場規模については、2023年度には約13億ドルの市場規模になると予想されています。
その理由は年々菜食主義者の人口が世界各国で猛烈な勢いで増加しているという点が大きくあります。
例えば米国でいうと増加率が半端ではなく、ここ数年で5倍の増加率だとか。
ヨーロッパにしてもイギリスで数年の間に3~4倍。イタリア等、その他の国では10人に1人は菜食主義との情報もあります。
世界的にも食肉を生産する際の環境問題に加え、米国等で顕著になっている肥満防止等、健康のために食肉の摂取量を減らす方向で進んでいるという共通の流れもあるみたいです。
さらには、ヒンドゥー教をはじめ世界には肉食を禁止している宗教が私たちが思っている以上に多いように思います。
そのような人達にも広がる可能性があるとしたらまだまだ未知数の拡大余地が残されている食料界で最後の聖域になるのではないでしょうか。
日本では、健康に良いとされる日本食の存在があるため、まだまだ広く認識がされてない状況ではありますが、海外の流れは必ず日本にも来るので
近いうちに日本でも大きな話題になる事もあるはずです。
ビヨンド・ミートについて
設立10年目になる代替肉、いわゆる人口肉製造の食品製造会社です。
マイクロソフト社CEOのビル・ゲイツをはじめ多くの著名人からの出資を受けている期待の米企業のひとつです。
これからの世界的な食料品不足を救う救世主となりうる可能性があり、様々な方面から注目を集める米企業「ビヨンド・ミート」について考えてみましょう。
元々は菜食主義の人向けに植物性の代替肉の製造を行っていましたが「ビヨンド・バーガー」の成功を機に世界中から注目を集めました。
米国で行われた市場調査によると直近3年間の間に人口肉の売上高は42%も上昇し約9億ドルになったとし、
イギリスにおいても1年間で人口肉の売上が18%も上昇した所を見ると需要は今後もものすごい勢いで拡大していきそうです。
ビヨンド・ミートの業績
そんな中でビヨンドミートの直近の業績を見てみると
2016年度
- 売上高:1600万ドル
- 売上原価:2,249万ドル
- 純損失:△2,515万ドル
2017年度
- 売上高:3,258万ドル
- 売上原価:3,477万ドル
- 純損失:△3,038万ドル
2018年度
- 売上高:8,793万ドル
- 売上原価:7,036万ドル
- 純損失:△2,988万ドル
昨年の損失額は約3,000万ドルと日本円にして約33億円の赤字。
売上の伸び率だけを見ると脅威の拡大スピードですが黒字化にはまだまだ時間がかかりそう。
ちなみに時価総額40~45億ドル付近の食料品系の日本企業だと
日本ハム(売上1兆2,500万/純利益195億)
カルビー(売上2,486億/純利益195億)
等があります。
…ん?おかしいな
あれ、ビヨンド・ミートの時価総額、間違ってない!?と感じるかもしれませんが間違ってないです。事実です…)
…そうですね!期待度が半端じゃないですね。
株価からもわかるように世界的な流れは人口肉の登場を待ち望んでいるようです。
ビヨンド・ミートの競合相手
上場初日から投資家からの大きな大きな期待を抱えたビヨンド・ミート。
そんなに期待されるという事はビヨンド・ミートは人口肉市場では敵なしなのでしょうか?
いえ、そんな事もなさそうです。むしろ大変そう
食品業界大手のタイソン・フーズをはじめ多くの製造会社が参入する方向で動いており競争は今回の上場をきっかけに世界中で加速する事になりそうです。
そんな中でも既にビヨンド・ミートと同じくらいの期待度を寄せられている非上場企業があります。
なんと歌手のケイティ・ペリーやテニス選手のセリーナ・ウィリアムスらが支持しているという。その名も…
インポッシブル・フーズ
ビヨンド・ミートが上場して間もなく、こちらも約3億ドルの資金調達が完了し、更にはビヨンド・ミートの上場に対抗心を燃やしたのか、同社もIPOを検討しているというニュースも。
ここからもわかるようにビヨンド・ミートとはバッチバチのライバル関係にあります。
そんなインポッシブル・フーズも今年に入って米ファーストフード大手のバーガーキングとの提携を発表しています。
さらにはマクドナルドも大豆を使ったハンバーガーをテストしているとの情報もあり、近いうちに人口肉関連の話題を発表する可能性があると思っています。
新たな人口肉市場の拡大を求めて各関連企業が熾烈な競争を繰り広げるのは間違いないのは、もう既に確定事項と言っていいでしょう。
まとめ
今回、海外の人口肉事情について色々調べてみましたが、今後も人口肉関連のニュースは年々増加していく事は疑いの余地もないみたいです。
そしてビヨンド・ミートをはじめ、世界中の食料品関連の企業がトップシェアを目指し、血眼になって戦う熾烈な戦いが繰り広げられます。
ビヨンド・ミートのIPOがシェア争奪の始まりを告げるゴングになったように思います。
個人的な考えですが、調べる前は一刻も早くビヨンド・ミートの株を保有したいと考えていましたが
「投資するタイミングは今じゃないみたい」
という考えに至りました。
あ、ちなみに零細企業の経営者としては
ビジネスチャンス!
という気もします。
(食品関係は専門外なので私は動きませんけどね。)